小さな散歩道

引地川の千本桜 (大和市) 

 
昨年の千本桜

 大和市の引地川沿いには、「千本桜」と呼ばれる桜の名所があり、ソメイヨシノなどの桜約500本が川の両岸約1.5kmに渡って咲き並ぶ(大和市HPより)。満開の時期には多くの人で賑わう散策路を、2月中旬の暖かい日に高座渋谷駅から桜ヶ丘駅まで歩いてみた。

 小田急江ノ島線の高座渋谷駅西口を出ると、駅前は再開発が進む新しい町といった印象だ。駅前ビルIKOZAにはスーパーの他、図書館や5階には「おふろの王様」もある。


和菓子の千本桜といちご大福

この日咲いていた桜

 千本桜へは、途中まで「大和ゆとりの森」への案内表示に従って歩くと、少し遠回りではあるが分かりやすい。駅から約15分、引地川の神明橋に出る。大和ゆとりの森へはこのまま真っ直ぐ進むが、千本桜へは川沿いの舗装路を川上へと歩いていく。このあたりは、川幅も適度に広く開けていて、まだ桜の木はないが、ほどなく桜並木の土手の遊歩道となる。千本桜の始まりだ。川幅が狭まり、鯉がたくさん泳いでいる。

  福田14号橋の右は千本桜商店会。すぐ先の左にある和菓子屋「みどりや」で千本桜という名のきれいな和菓子をみつけたので、お土産に買った。店の前の千本桜みどり橋が、「千本桜さくら祭り」の会場になるとのこと。

  見事な枝ぶりの桜並木の土手の遊歩道を歩いていく。白い水仙やピンクの小さな花、ヒメツルソバもたくさん咲いている。ところどころ、川へ下りる階段もある。コサギ、カルガモもみつけた。桜並木が3重、4重になっているところもあり、満開の桜はさぞかし華やかだろう。
  土の道から舗装路になったりしながら、川沿いを歩いていく。静かに流れる川の水音が心地良い。少し大きくなっている花芽を見て、「3月中旬には開花だろうか」と思いながら歩いていると、驚いたことに対岸の1本だけ、花が数輪咲いていた。この暖かさで思わず咲いたのかとも思ったが、この木は早咲きの桜なのかもしれない。いずれにしても、とても得をした気分だ。

 中原街道あたりが千本桜の終わりだが、このまま川沿いの道を『止まれ』の道路標識(山王橋手前)まで歩く。ここを右に曲がり、坂を上り下りしながら道なりに進むと再び桜並木となり、桜ヶ丘駅に着く。

 恩田川の桜も素晴らしいが、小さな川の自然も楽しめる千本桜、出かけてみてはいかがだろう。

今回の行程 全行程約4.3km 約1時間5分(休憩含まず)

高座渋谷駅〜15分〜神明橋〜10分〜千本桜みどり橋〜30分〜山王橋手前〜10分〜桜ヶ丘駅

千本桜までのアクセス/小田急江ノ島線高座渋谷駅・桜ヶ丘駅から徒歩約15分

※千本桜さくら祭り…昨年は3月31日(日)に開催。今年の日程・詳細は大和市のHPで確認を。

(2020年3月掲載)


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