小さな散歩道

水郷田名と相模川ふれあい科学館「アクアリウムさがみはら」


水郷田名の標柱

烏山用水

田名八幡宮

 水郷田名は、相模川の左岸、高田橋周辺の段丘を下りてきた河岸の現在の町名である。昔は田名と呼ばれ、その歴史はかなり古く、江戸時代には橋本を通る大山参詣の街道があり、多くの人が田名の「公所(ぐぞ)の渡し」を利用して川を渡り大山を目指したとのこと。昔から盛んだった鮎漁に、その後、観光的な鵜飼が加わり、風光明媚な景観と相まって「水郷」と呼ばれるようになったそうだ。水郷田名の地名に惹かれ、梅雨明け間近の休日、高田橋から歩いてみた。


相模川

 つくし野から車で約1時間、高田橋下河川敷の駐車場に到着。橋の袂に行くと「水郷田名」と「公所の渡し」の標柱、「鮎供養塔」が並んでいる。橋名の案内板の裏にカブト虫がいるのをみつけ、夏の訪れを実感した。

 川を左に見ながら堤の上を川上に向かって歩く。広々としていてとても気持ちが良い。河川敷ではたくさんの人がバーベキューを楽しんでいる。ここはバーベキューが気軽にできる川原として有名な場所だ。広場は芝と木々が良く手入れをされ、対岸の山の生い茂る樹木とともに緑の色がとてもきれいだ。川では鮎釣りをしている人、グラウンドでは少年野球の試合、それぞれに相模川を楽しんでいる。途中、歴史の案内板があるので読むと面白い。

 堰が見えてきた。川の流れの音が心地よく、吹く風が涼しく感じる。道は右にカーブし、堤を下りると川音がはるか遠くになり、静かな町に入っていく。間もなく烏山用水に出る。細い水路だが、木道が整備され素敵な趣である。
  すぐ先にある田名の鎮守の田名八幡宮を参拝してから用水の木道を歩く。広くなったり狭くなったり、家と家の間や木々の下を通ったりと何とも楽しい。水は淀みなく流れ、金魚も泳いでいる。ゆっくり歩いて、烏山用水や史跡の案内板のある高田橋近くまで約50分。

 ここから約10分で相模川ふれあい科学館「アクアリウムさがみはら」、相模川の生き物中心の市立水族館だ。5年前にリニューアルされ、展示もさらに面白くなっている。散策のあとにきれいな水槽の中の魚をゆっくり見るのも楽しい。科学館の外の池や小川では子ども達がきゃっきゃっと水遊びをしていた。この夏、お弁当を持って出かけてみてはいかがだろう。

 

 

 

■相模川ふれあい科学館「アクアリウムさがみはら」  ウェブサイト

所在地/町田市相模原市中央区水郷田名1-5-1
電話/042-762-2110
開館時間/9:30〜16:30
休館日/月曜日(8月は無休)
入館料/大人390円、小人130円、65歳以上190円、未就学児無料
アクセス/JR横浜線相模原駅南口よりバス「水郷田名」行き「ふれあい科学館前」下車
駐車場/あり(無料) ※満車時は高田橋下河川敷の駐車場を利用(徒歩約13分)

(2019年8月掲載)  地図


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