小さな散歩道

つくし野殿山市民の森 (町田市つくし野1丁目)

 
(左) 市民の森・風景  (右) 横穴墓


市民の森・看板

地蔵坂にあるめずらしい「烏天狗の道祖神」

与兵衛坂

 少し春めいてきた日に、殿山市民の森とその周辺の昔からある坂道を歩いてみた。

 つくし野駅から「貝がら公園通り」を下り、つ目の畑の角を右に曲がると視界が大きく開ける。丹沢の山まで見渡せる見晴らしのいい道を歩いて横浜線の線路沿いの道に出る。左に曲がって坂を下ると「つくし野殿山市民の森」、北側の入口だ。案内板によると、名称の「殿山」は、昔この地区の村を治めていた殿様の屋敷がこのあたりにあったという言い伝えに由来しているとのこと。

 雑木林の小道を歩いていく。落ち葉を踏む音が楽しい。たくさんのどんぐりも秋に落ちたままで、案内板にある通り、自然をそのまま残している緑地保全の公園だ。小高い丘の頂上にはベンチがあり、葉を落とした木々の間から横浜線の電車が走っているのがよく見える。眺望がきくのもこの季節ならではの楽しみだろう。

 階段を下り「郵便局さくら通り」に面した広場に出る。奥には小さな池があり、初夏になるとおたまじゃくしがいっぱい泳ぐそうだ。
  北側の坂「殿山わき水坂」にまわり、殿山を見上げると木の柵でふさがれた穴が見える。調べてみると古墳時代後期の横穴墓とのこと。このあたりには数基あったが、線路や区画整理で今残っているのはこの1基のみだそうだ。その先には、坂の名の由来となった湧き水があるが、残念ながらパイプから水は出ていなかった。

 横浜線をくぐり、橋を右に曲がり川沿いを歩いていく。成瀬クリーンセンターを右に曲がると、右手にいくつかの石造とお地蔵さんが立っている。その間の坂が「地蔵坂」。それぞれ案内板があるので読むと面白い。
  そのまま歩いていくと、畑の脇に「与兵衛坂」の木の標柱、後ろには階段が見える。坂の成り立ちを読んでから上ってみる。舗装された階段だが、竹林がせまり、細くゆるやかに曲がっている急な傾斜に古くからある道の趣が感じられる。
  坂の上は地蔵坂を上ってくる道と繋がっていて、左に進んでいくと長津田検車区の跨線橋のところへ出る。橋を渡り横浜線の踏切も渡ると「殿山わき水坂」に戻る。時間のある方は、与兵衛坂の先の「田苗坂」「馬坂」もまわってみるのもいい。約3kmの静かな町歩き、出かけてみてはいかがだろう。

■つくし野殿山市民の森

所在地/町田市つくし野1-17
アクセス/東急田園都市線つくし野駅徒歩10分
駐車場/なし

※犬連れ不可

(2019年3月掲載)  地図


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