小さな散歩道

南大谷天神社 (町田市南大谷)

 
(左) 鳥居  (右) 本殿


南松観音堂

顔や姿が面白い、本殿の前の狛犬
文化14年(1817年)のもの

天神社のすぐ前の恩田川

 受験シーズンを間近に控え、学問の神様、菅原道真を御祭神とする「町田三天神」のひとつ、南大谷天神社を訪れた。
  「神社前」のバス停で降り、車の多い道を歩くとすぐに南大谷天神社の大きな看板が見え、参道の入口に着く。 住宅の間の参道の途中に鳥居が立ち、その先は木々に囲まれひっそりとしている。由緒書きによると天神社の創建は江戸時代のはじめ、1645年頃と考えられているようだ。 参道の【初詣は由緒ある南大谷天神社】の旗にも頷ける。

 鳥居をくぐり歩いていくと桜の大木が並び、まだ紅い葉をつけたもみじの木もある。 静けさを感じながら一つ目の階段を上がると左にはひっそりと石像が並んでいる。二つ目の階段を上がると大きなイチョウの木。 強面の狛犬に見られながら三つ目の階段を上がると左に小さな観音堂、裏手には古いお墓がある。  案内板によると、天神社の管理をするために作られた別当寺が明治時代に廃寺となったため、その貴重な遺物を観音堂に納め、お墓は歴代住職の墓碑とのこと。 屋根の上に積もったもみじの葉が風情を増している。

  四つ目の階段を上がると目の前に本殿が現れた。さほど大きくはないが静かに堂々とした佇まいである。 本殿は本格的な一間社流造(いっけんしゃながれづくり)で町田市の文化財に指定されている。

 しっかり参拝をしてから本殿のまわりをぐるりと一周。境内は桜をはじめとした大木に囲まれ、鳥のさえずりも聞こえる。 裏手はすぐ住宅地だが、南側は高台になっており木々の間からではあるが眺望がきき、すぐ近くを小田急線が走っているのが見えた。 柵にもたれかかり境内を眺めていると、ゆっくりと時間が過ぎていくような感覚になった。

 帰路は、天神社の前の道を渡るとすぐに恩田川に出るので、川沿いを散策しながら帰るのもいいだろう。

 合格祈願には三天神をめぐると良い、と聞いたことがあるが、春は桜、秋は紅葉も楽しめる静かな南大谷天神社、受験とは関わりなしにでも一度訪れてみてはいかがだろう。

■南大谷天神社
所在地/町田市南大谷451 TEL:042-725-3991
連絡先/菅原神社 TEL:042-725-5177
アクセス/町田バスセンターから成瀬台行き・町76
       「神社前」下車徒歩1分
       JR横浜線成瀬駅より徒歩約40分(約3.1km)
駐車場/なし

(2019年1月掲載)  地図


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