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本堂
大晦日の夜、除夜の鐘をつく人で賑わうという成瀬の東雲寺を訪れた。
杉山神社の隣、東雲寺の立派な寺標がたっているところが表参道の入口である。ゆるやかな坂を歩いていくと両脇には大きな桜の木が並んでいる。台風24号の強風で倒れた大木もあるそうだが、春には桜の花が見事だろう。石段の手前右手には大きなお地蔵様、隣には小さなお地蔵様がたくさん並び、向かいには地神塔や石造もある。かなり古いものもあるようだ。
石段を上がると正面に本堂が見える。緑色の屋根の曲線がとてもきれいだ。境内を見回すと、手入れをされた木々の間にさまざまな石造や石碑がたくさん置かれている。案内板もあるので読みながらまわる。
東雲寺の開創年は不詳ながら、1500年代の初めに東雲寺の前身・龍谷山成就院が成瀬城(現在の城山公園)近くに開創され、その後、成瀬城の廃城で成就院も廃絶したが、1631年に現在地に龍谷山東雲寺として再興されたとのこと。他にも、戦時中、品川区の小学生が学童疎開で来ていたことや、戦時中に供出されてしまった梵鐘(ぼんしょう)が奇跡的に戦後無事に戻ってきたこと、釈迦堂の誕生仏の形がとても珍しいこと等、いろいろ知ることができた。
本堂の隣は坐禅堂で、誰でも参加できる坐禅会が月2回開かれているそうだ。
(毎月第一・第三日曜の朝7時〜8時に開催。子ども坐禅会は毎月第四日曜の朝7時より。詳細は東雲寺まで確認を。)
東雲寺も高台にあり眺めが良いが、さらに眺めが良いという山吹緑地に向かう。本堂の右手より境内を出て、駐車場の脇の狭い坂道を上っていくと右手前方に緑地が見えてくる。坂を上りきったところが成瀬の尾根道、開けたところが山吹緑地だ。西の方角の町や山が良く見えて確かに素晴らしい眺めだ。
成瀬山吹緑地からの眺め
緑地の中に“成瀬尾根の山岳展望図”があるので見比べながら山を探してみる。双眼鏡があるともっとわかるかもしれない。そのまま尾根道を南の方へ下っていくと右に下りる細い山道がある。ここを下ると成瀬街道の南二小東の信号の近くに出られるが、途中まで登山道のような道なので、不安な方はここを下りずに尾根伝いに真っ直ぐ進み、住宅街をぐるりとまわって下りて吹上の信号のところに出るとよい。
師走の忙しさを少し忘れて静かな散策に出かけてみてはいかがだろう。
■曹洞宗 龍谷山東雲寺
所在地/町田市成瀬4-14-1 TEL 042-726-5909
アクセス/JR横浜線成瀬駅徒歩20分弱
駐車場/あり
■成瀬山吹緑地
所在地/町田市成瀬5000番2ほか
アクセス/東雲寺より徒歩5分
駐車場/なし
(2018年12月掲載) 地図
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