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社殿
東急田園都市線つきみ野駅から北東へ徒歩12分、公所浅間神社がある。
公所(ぐぞ)とは、公事を扱う所、役所、公文所(公式文書を司るところ)などを意味し、武蔵国と相模国を結ぶ要地にあたるこのあたりに役所が置かれ公所と呼ばれ、名が残ったということらしい。浅間神社の創立年代は不詳だが、源頼朝(1147-1199)の創建と伝えられている。文亀年間(1501-1503)の記録では鶴間神社と記載され、江戸時代に浅間信仰の影響により浅間神社と改称されたと考えられているようだ。
事前知識を頭に入れて敷地に入ると、園児達が先生と一緒に広場できゃっきゃっと遊んでいる。
そのまま進んで鳥居の前に立つと、真っ直ぐに伸びる参道の先に社殿が見える。浅間神社の社号標を確認し、一礼して中に入っていく。両脇にはイチョウの大木を始めとして様々な木が上に横にと枝葉を伸ばしている。ちょっとした林の中にいるようで、左右の末社を見ながらゆっくり歩くと自然と心が落ち着いてきた。
林を抜けると、大きくはないが立派な屋根の拝殿が目の前に現れた。階段を数段上がり手水舎でお清めをして参拝をした。
拝殿の右手に「浅間神社跡地」の切り株が置いてある。元々、ここから西600mのところにあった社殿を国道16号線大和バイパス新設により敷地を大幅に失うことから、1975年にこの地に遷座したとのこと。跡地には富士塚もあると知り、向かうことにした。
富士塚と碑
国道16号に架かる歩道橋の端の一角にこんもりした林があった。そこが跡地だった。全体が小高い山のようになっており、小道を上ると遷座と富士塚の碑があり、さらに進むと鳥居の土台かと思われる石が残っている。富士塚を登ると頂上に石碑があった。「浅間の森」と書いてあるように、浅間神社跡地は小さな場所ながらも大木が何本もあり、周辺の住宅地とは一線を画している趣がある。遺跡も発掘されており、この地は太古の昔から人々が生活を営んできた場所であるということを知ることができた。
木々に囲まれ清々しく歴史も感じられる散歩道、飲み物を持って出かけてみてはいかがだろう。日除け、虫除け対策も忘れずに。
■公所浅間神社
所在地/
大和市下鶴間391 (TEL:046-263-7071)
アクセス/東急田園都市線「つきみ野駅」より徒歩12分
駐車場/あり
■浅間神社跡地と富士塚
所在地/大和市つきみ野8-14
アクセス/公所浅間神社より徒歩10分弱
駐車場/なし
(2018年6月掲載) 地図
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