小さな散歩道

中島公園(日野市新井391−15)

 多摩モノレールの高幡不動駅から線路沿いを東へ進むと、程久保川に架かる「ねんも橋」に出る。さらさらと流れる川面をのぞいてみると、多くのカモたちの姿があった。遊歩道になっている川のほとりを進み、子どもたちのにぎやかな声を聞きながら「八小橋」を左へ。

 
(左) 公園の周囲に広がる収穫を待つ田んぼ  (右) 近くの程久保川ではカモが泳いでいた

 「みさわ保育園北」のバス停を過ぎると、辺りは農地が広がる一帯になっていた。この新井地区は、日野市の中でも田畑が多く残されている地域のようで、きれいな黄金色の稲穂が一面に広がり、重く垂れた穂は収穫を待っているようだった。周囲には新しい住宅も建ち並んでいるが、のどかな雰囲気が残る。農地と住宅地の間に伸びる道を左に入ると、中島公園(401平方メートル)に着いた。

  公園入口近くの案内板によると、昔、この辺りは新井村といわれ、公園付近の地域を「中島」と呼んでいたという。この小字名の由来は、かつて近くを流れる浅川が現在より南側を流れていた頃、川の中に島があったのでそこを「中島」と呼ぶようになり、この名がついたそうだ。また、戦前はこの地域のほとんどが農地だったようだ。

 
(左) 公園は道路と新築の家に挟まれ細長い  (右) 木と金属で作られた複合遊具(ブランコの綱が無くなっていた)

  細長い園内には、入口左手に水飲み場、右手にはベンチがあった。入口正面には木製の階段を備えた滑り台があるが、少々複雑な形をしているため、もともとは何らかの遊具と組み合わせた複合遊具であったと思われる。その傍らには小さな円形花壇の真ん中にシンボルツリーが伸びていて、その周囲にもベンチが置かれていた。この公園は農地に隣接しているため、園内からも風に揺れる稲穂がよく見える。農地と住宅地の間にある小公園だが、散策途中に腰を休めるには適したスポットだ。園内左手にはよく生い茂った藤棚があり、棚の下から見上げると、立派な実がなっていた。
  公園から少し歩けば浅川だ。かつての流路を想像しながら歩いてみるのも面白い。

(2023年10月掲載)  地図


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