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日野駅から「高幡不動駅」、「豊田駅北口(日野市ミニバス)」行きのバスに乗り、「日野市役所」で下車。市役所の目の前に広がるのが、緑豊かな日野中央公園だ。
今年5月、同園内に誰もが一緒に遊べる「インクルーシブ遊具広場」がオープンした。「インクルーシブ」とは、「すべてを包括する、包みこむ」という意味。この遊具広場は、性別や国籍、障害の有無などに関わらず、誰もが遊べる公園づくりのために整備された。
広い芝生広場の一角にある遊具広場に向かうと、散策路からスロープが伸びていて、その先には滑り台とロープ遊具などを組み合わせた複合遊具があった。一見、普通の複合遊具に見えるが、滑り台は保護者などが一緒に滑れるように幅の広いタイプになっている。また遊具に上る階段には、車いすから移りやすいように一段高いデッキが設けられていた。遊具の下部には、ネコの顔が描かれたパネル遊具があり、小さな子どもでも楽しめる造りになっているようだった。
(左)介助者と並んで滑ることができる幅広の滑り台 (右)
階段も車いすから移乗しやすくデザインされている
複合遊具の隣にはブランコが設置されている。このブランコはひとつがバケット型、もうひとつが円盤型という、見慣れないタイプのブランコだ。幼児用のバケット型は、文字通りバケツに足を入れる穴をあけた形をしているため、従来のブランコよりも安定度が高いものとなっている。この日は、どっしりと座った小さな子がお母さんに「それ行けー」と声をかけられながら楽しんでいた。
(左)バケット型のブランコシート (右) 円盤型のブランコシート
円盤型のブランコは、複数人(200kgまで)で乗れる大型のブランコだ。この円盤型ブランコは、保護者と一緒に、または寝たままでも乗れるようになっているので、自分で体を支えられない人でも楽しむことができる。実際に大きな円盤に腰掛けてみると、小さくユラユラと揺れる感覚がなかなか心地よかった。
インクルーシブ遊具広場一帯は、柔らかいゴムチップで舗装されており、安全に配慮された造りになっている。また、水はけもコンクリートよりはいいようだ。
広場の案内板には「一緒に遊んで、お互いを知る場所になってほしい」と書かれていた。あらゆる人々を排除しない取り組みを、今後とも進めていってもらいたい。
(右)だれも排除しないインクルーシブブランコ
(2023年9月掲載) 地図
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