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現在の日野駅舎
日野市は、北に多摩川、中央に浅川、南に多摩丘陵を擁し、緑と清流の美しい自然環境に恵まれ、工業団地や住宅団地を中心に、高幡不動尊等の社寺旧跡、多摩動物公園等を有する。2020年3月1日現在、人口は 18万6358人。
日野駅は、1890(明治 23)年、甲武鉄道7番目の駅として、地元有志の寄付により神奈川県南多摩郡日野宿の北部(現在よりも高尾寄り)の中央高速道路陸橋付近に誕生した。 当時の村名「日野宿」が駅名の由来とされる。1906(明治39)年、甲武鉄道の国有化により官設鉄道になる。
(右)新日野駅 昭和30年代( 日野市郷土資料館提供)
その後1937(昭和12)年、複線化に伴い300メートル北の現在の位置にホームを新設。この地が「多摩の米蔵」と称された稲作地帯だったため、田園風景と調和を考えた入母屋造りの民家風駅舎が作られた。旧原宿駅の一部資材を利用し、竣工は昭和12年2月22日。6月に開業。中央線のほとんどの駅が近代的なデザインに建て替えられている今、竣工当事から現在まで85年もの間、基本的な外観は変わらないという珍しい駅だ。
(右)日野駅の骨組み
入母屋の下に巾一間(約1・8メートル)の下屋(げや。母屋から差し出して作られた屋根)の軒下にたい焼き店(鎌倉山あずき茶屋)が開業している。下屋の天井を見上げると丸太の軒裏をみることができる。「丸みを帯びた屋根が優しさを感じる」「この駅に着くとほっとする」と地元では好評だ。日本の伝統技術を駆使した近代建築として日野市の再偉業遺産とたたえる人もいる。
日野市は新選組の土方歳三の生誕地として知られる。日野駅も新選組関連のイベントには協力し、駅舎に駅員手作りの新選組関連ディスプレイをしている。毎年5月に行われる「新選組まつり」では、浅黄色のだんだら模様の入った羽織を着て勤務している。
(左)
日野駅手づくりのディスプレイ (右)土方歳三のパネル
(2022年1月掲載) 地図
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