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長寿地蔵堂
日野駅から甲州街道を東へ10分ほど進み、日野図書館の角を左に入る。「けんころ地蔵尊」と書かれたのぼりが建ち並ぶ路地を進んでいくと、普門寺の入口右手に鎮座するけんころ地蔵に着いた。
この「けんころ地蔵」との呼び名には、「健康に生きて、コロッと逝く」という願いが込められているそうだ。「長寿地蔵尊」と書かれた小さな祠の中にたたずむお地蔵様は、赤い帽子をかぶり、よだれかけをかけていた。
目深に帽子をかぶっているため、その表情をうかがうことはできなかったが、足下にはお米がお供えされていた。また、お地蔵様の両脇にはきれいな花が手向けられ、祠には千羽鶴も掛けられていた。
お寺の一角にある小さな地蔵尊であるが、近隣の人たちには大変慕われているお地蔵様なのだろう。なお、毎月第3日曜にはけんころ地蔵の縁日が行われている。(雨天時は中止)
(左)普門寺観音堂 (右) 本堂と樹齢150年の赤松
参道を進んでいくと、右手には日野市の指定有形文化財である普門寺観音堂がある。この観音堂は、1807(文化4)年に建立されたもの。 もともとは、ここから約500メートル東、福地蔵のあたりにあった西明寺の堂宇を移築したものだそうだ。大きく扇形に伸びた青銅色の屋根が美しく、古びたお堂は長い歴史を感じさせる。 とても趣きのある観音堂だ。また観音堂の傍らには、樹齢100年以上といわれる枝垂れ梅が植えられていた。
参道正面の真新しい本堂に向かうと、真新しい本堂の右手からは、樹齢約150年といわれる立派な赤松が伸びていた。 地面から斜めに伸びた赤松は、本堂の屋根をかすめながら、力強く伸びている。赤茶色の幹と葉の緑のコントラストが美しく、本堂前は庭園のような雰囲気の一角となっていた。
なお、けんころ地蔵の手前には、福祉センター前児童遊園がある。滑り台やブランコ、ジャングルジムなど、遊具が豊富に置かれた園内では、終日小さな子どもたちで賑わっていた。
遊び回る子どもたちを横目に福祉センター隣の中央公民館前に趣くと、葉の色が異なるイチョウが伸びていた。
これは「二色イチョウ」というもので、3本のイチョウの木が寄り添うように伸びているため、葉っぱの色づきに時間差があるのだとか。これからの紅葉の季節に訪れてみるのもいいだろう。
二色イチョウ →
(2020年10月掲載) 地図
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