小さな散歩道

雨乞公園 (日野市百草)

 
(左) お友達と楽しめる幅の滑り台   (右) 同公園は二段に別れているので植栽に趣がある


雨乞公園の名前の由来を書いた看板

藤棚の前に座るラクダ

カバの向うはアルパカか?

屋根の棟(てっぺんのとんがったところ)か?

 高幡不動駅から「聖蹟桜ヶ丘駅」、「百草園住宅中央」行きのバスに乗り、「七生緑小学校」で下車。バス停の少し先にあるT字路を左に曲がり、坂を下っていくと、右手に雨乞公園が見えてきた。
  「雨乞公園」とは変わった名前だが、公園の入口には看板が建っていた。看板の説明によると、この公園の下あたりには雨乞谷戸と呼ばれる深い谷があり、そこから湧き出る地下水はどんな年も涸れることがなかった。地元の人々は日照りで田の水に困ったときなどにこの水を御嶽社に供え、雨乞いの祈願をしたそうだ。なるほど、なかなか面白い名前の付け方をするものだ。

  公園に入ってまず目につくのは、傾斜地を利用した大きな石の滑り台だ。この横に広い滑り台は両脇に階段があり、中央にはよじ登れるように小さな石が埋められている。滑り台の上に立ってみると結構高さがあり、しかもかなり急な角度である。「もし足を滑らせたら……」と思うと、ちょっと怖いくらいだ。しかし、子どもたちには人気のようで、滑り台の下にはこれを敷いて滑ったのであろう段ボールが落ちていた。彼らは怖気づくことなく、この急斜面を楽しんでいるのだろう。

  園内は中央に円形の砂場があり、周囲にはジャングルジムやブランコ、鉄棒などの遊具が充実していて、子どもたちには楽しい公園だろう。また、藤棚の前には亀、ラクダ、馬、カバなどの児童向け遊具が向かい合って置かれており、その様子は動物たちがなにやら会議をしているようにも見える。公園は近隣の人たちの散歩コースにもなっているようで、この日は犬の散歩をする人たちの姿が多く見受けられた。

  なお、この公園は二段構造になっていて、上段が遊具中心のスペース、下段は緑地スペースとなっている。賑やかな上段から下段に降りると、整備された緑の中を散策路が巡っていた。こちらでは所々にベンチが置かれていて、落ち着いた雰囲気の中でひと息つくことができる。
  芝生の上には枯れ葉が舞い散っており、傾斜地にある公園の先端まで行くと、見晴らしも悪くない。散策路沿いの植木もとてもきれいに刈られていて、なかなか気持ちのいいスペースだ。 この日も冷え込んでいたが、時折差し込む陽光が暖かく感じられた。

(2018年2月掲載)  地図


小さな散歩道 目次へ 前へ  次へ