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(左) 展望台 (右) 夕方鉄塔の脇に富士山の姿を見る
左に日野橋が見える(展望台から)
手前の四角柱の「関東富士見百景」の銘板
日野の渡し場跡を伝えるモニュメント
立川駅北口から「高幡不動駅」行きのバスに乗り、「野球場前」で降りる。目の前には立派な立川球場が構えているが、バス通りを挟んだ球場向かいの斜面の上には、ちょっとした芝生の広場がある。
広場には小さなトピアリーらしきものが数多く並んいるが、落葉していて絡みあうつるのかたまり状にしか見えない。春をお楽しみにといったところか。広場の南端まで行くと、風情ある木造の展望デッキが置かれていた。この広場は高台にあるため眺望もよく、天気がよければ立日橋の向こうに富士を望むことができる。
広場から下り、日野橋近くの多摩川の堤防へ出た。日野橋から西へ、立日橋(たっぴばし)へ向かう堤防上の道は二手に分かれているが、右の錦町下水処理場に沿った道を進む。テニス・フットサル場の北側の芝生の中にちょこんと立つ四角柱の上面に「関東の富士見百景 富士山の見えるまちづくり 地点名 多摩川緑地」という銘板があった。市民の推薦を受け、平成17(2005)年に国土交通省によって「富士山への良好な眺望を得られる地点」として選定されたものだ。
銘板の周囲は芝生もきれいに整備され、銘板の傍らにはベンチも置かれている。日の光も温かく感じられ、なかなか心地のよいスポットだ。目の前では青年が声を掛けながらテニスを楽しんでいる。傍らの芝生では犬と一緒に日向ぼっこをする人たちの姿があった。
この日は富士方面に雲がかかっていたが、日が暮れてくると富士山のシルエットを拝むことができた。だがこの地点からだと、鉄塔や多摩都市モノレールの軌道が視界を遮ってしまうので、多摩川の土手の「多摩川歩行者・サイクリングロード」からの方がよく見える。
そのまま下水処理場沿いの道を進むと、三叉路の一角に「日野の渡し碑」という石碑が建っていた。江戸時代から日野橋が開通する大正15(1926)年まで、ここに立川と対岸の日野を渡し舟が結んでいたという碑だ。
上部に小舟をかたどった立派な石碑であるが、根川緑道と多摩川の間のちょっとわかりづらい場所にあるのが残念だ。ここは錦町下水処理場の一角を割いたような場所であるが、目の前の通りには「旧甲州街道」という看板が建っていた。そんな背景もあって、こちらに碑が設置されたのかもしれない。渡し碑の横には小さな歌碑があり、こちらには「多摩川の渡し 跡なるわが住まひ 河童ども招ひて 酒酌まむかな」という楽しげな歌が書かれていた。
(2018年1月掲載)
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