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宇宙船を思わせるアポロ遊具の代表格
高幡不動駅から「百草団地」、「聖蹟桜ヶ丘駅」、「帝京大学構内」行きのバスに乗り、「百草センター」で下車。バス停を降りると、目の前に「百草団地ショッピングセンター」が広がっている。
アーケードの付いたショッピングセンター内には、スーパーマーケットをはじめ、薬局や美容院、電気屋からお寿司屋さんまでが立ち並んでいた。また、この日は屋台風の焼き鳥屋さんも出ており、ちょっと懐かしい風情の商店街といった雰囲気だ。
入口近くには銀行と郵便局もあり、団地(2000戸以上)内で一通りの生活は完結できるようになっている。この団地は駅からさほど遠いわけではないが、丘陵地にあるためにこのような造りになっているのだろう。
壁面に可愛らしい親子の象が描かれたショッピングセンター棟を左側に抜けると、中央に宇宙船のような遊具が置かれたアポロ広場が見えてきた。この「アポロ広場」という名前は、百草団地が完成した1969年はアポロ11号が月面着陸した年であるため、それにちなんだ名称だそうだ。
また、宇宙船型の遊具も「アポロ遊具」と名付けられている。遊具は上部が展望台のようになっていて、八角形の展望台の中央にはポールが伸びていた。下部には遊具の足が広がっており、その間が宇宙船の窓のような造りをしている。なかなか珍しい遊具であるが、この団地のシンボル的な宇宙船は人気があり、この日も団地の子どもたちが宇宙船によじ登ったり、ぶら下がったりしながら、暗くなるまで元気に遊んでいた。また、広場脇には小さな滑り台や砂場があるスペースがあり、小さな子どもを遊ばせる親子連れの姿もあった。
広場のベンチから宇宙船を眺めていると、背後の高台に間隔をあけて建つ縦長型の団地がなんだかロケットのように見え、今にも飛び立ちそうな感覚に陥ってしまう。この縦長型の団地もあまり見かけるものではないが、丘陵地の地形を生かして作られたためか、団地全体がかなり複雑で立体的な構造となっているようだ。
ショッピングセンター棟を右側に抜けると、整備された木々の中に歩道が伸びていた。傍らにベンチやオブジェが設置されている場所もあり、適度な高低差もあるため、緑の中をゆっくりと散策するのも楽しそうだ。
(2017年10月掲載)
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