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社殿
百草園駅を降り、目の前の川崎街道を渡ると、街道の傍らに「七生丘陵散策コース」という白い標識が立っていた。その先を見ると、丘陵のふもとに鳥居が立っている。駅から目と鼻の先にある、ここが大宮神社だ。
大宮神社の創建年代は不明だが、寛文10年(1670年)頃は、三沢の大宮耕地という場所に鎮座していたが、文久2年(1862年)に現在地へ移されたといわれている。
両脇に高いポールが立つ鳥居をくぐると、すぐに急階段を上る造りとなっている。この階段はかなり傾斜がきつく、手すりにつかまりながら注意深く上っていく。緑が生い茂る境内は、街道の喧騒をよそに風がひんやりとそよぐ。ふと上を見上げると、参道をまたぐような形で建物が建っている。なんだか奇妙な光景だ。
丘の中腹に着くと、この変わった建物は社務所のようだ。参道が通る建物の軒下には、昭和61年(1986年)の拝殿の再建に関わった人たちの名が記されており、その向かいの軒下には、子・丑・寅・卯などを描いた干支の瓦が並んでいた。
建物を抜け、手すりが両側に設置された急階段を上っていくと、やっと社殿の姿が見えてきた。高台の広場に鎮座する小さな社殿だが、瓦の屋根がなかなか風情のある古めかしい拝殿だ。また、傍らには古い灯篭らしきものも置かれていた。
拝殿左手は鬱蒼とした竹林となっており、崖下から無数の竹が天高く伸びる姿には生命の逞しさを感じさせられる。拝殿右手に行ってみると、視界が開ける場所があり、丘陵の新緑を見渡すことができる。
なお「七生丘陵散策コース」は大宮神社の脇を通り、京王百草園や百草自然公園などを経由して多摩動物公園駅まで伸びている。百草園駅前には案内図も設置されているので、こちらを散策するのもよいだろう。
(2016年6月掲載) 地図
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