小さな散歩道

平山八幡神社 (日野市西平山1丁目)

平山八幡神社鳥居

対岸に広がる住宅と背景の多摩丘陵
滝合橋から多摩丘陵の稜線を見る

社殿

 京王線平山城址公園駅から浅川に架かる滝合橋を渡る。橋の辺りからは南西に連なる多摩丘陵の緑を見渡すことができる。水辺から昇る風も心地よく、しばしの間、広がる眺望を楽しんだ。橋の上流側は堤防がサイクリングロードになっており、多くの人がジョギングやサイクリングに励んでいた。またこの辺りからは、近くを走る京王線の姿も垣間見ることができる。
  橋を渡り、信号を左折して、傍らを水路が流れる道を進む。辺りには畑も多くあり、なんとものどかな一帯だ。滝合小学校の手前で右に曲がり、少し進むと平山八幡神社に着く。

 神社の入口は住宅地を少し入った所にあり、鳥居の背後には高い木々が生い茂っている。なかなか荘厳な雰囲気だ。また鳥居脇には弁天宮があり、水路も掘られているが、この日は水は流れていないようだった。鳥居をくぐり、石段を上ると、高台上に本殿がひっそりと鎮座していた。境内には緑が多く、ちょっとした森のようでもある。本殿を右手に進むと、本殿脇に道路に面した入口があり、高台上から対岸に広がる多摩丘陵と丘陵上の住宅地を見渡すことができる。
  本殿左手に回ってみると、木々の中にオレンジ色の小さな花がたくさん咲いていて驚いた。ちょうど西日の時間帯、木の合間から差し込む陽の光に照らされた花々は大変美しく、オレンジと緑のコントラストが幻想的に境内を彩っていた。

  平山八幡神社は、かつて若宮八幡または正八幡と呼ばれており、文治年間(1185〜1190)平山を領した平山季重が、鎌倉の鶴岡八幡宮を勧請して、郷中の鎮守としたという。また天正18年(1590)、徳川家康が関東へ入国した際に神社の由来を聞き「軍配団扇」を寄進したとも伝えられている。
 この「軍配団扇」と、団扇を納めていた「袱紗(ふくさ)」、「至道無難墨蹟(ぼくせき)」の3点は「八幡神社社宝」として日野市指定有形文化財に指定されており、毎年9月第1土曜・日曜日祭礼時には一般公開されるそうだ。

(2014年9月掲載)  地図


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