小さな散歩道

歌碑・雨のステイション (立川市緑町)

「雨のステーション」の歌碑ユーミンの直筆を刻んでいる

 青梅線西立川駅改札口を出て左、昭和記念公園に続く橋を渡ると、右手にひっそりと石碑が立っている。石を斜めに切り取ったような平たいこの碑こそが、ユーミンこと、松任谷(荒井)由実さんの「雨のステイション」の歌碑。 松任谷さんの代表曲でもあるこの曲は、梅雨時の西立川駅のことを歌った曲で、碑の平たい部分には松任谷さん手書きの歌詞が刻まれている。この碑は2002年の駅舎改築を記念して、西立川の原風景の記憶を残すために設置された。

歌碑の台座の金属板にユーミンがこの歌について書いた文章の抜粋と設立趣旨が

  昭和記念公園は1983年に開園したが、1977年に返還されるまで、この地は長らく米軍立川基地であった。八王子出身の彼女は学生時代、ハーフの友人と共に基地内によく出入りしていたそうで、この曲は当時の思い出を綴った曲だといわれている。ちなみに同駅の発車メロディにもこの曲が使われていて、利用者からはご当地メロディとして親しまれている。また同様の曲には「LAUNDRY-GATEの想い出」という曲もある。当時、基地西側には洗濯工場があり、そこの出入口の名が「ランドリーゲート」だった。なお同名のバス停が約15年前まで存在したが、現在は「富士見通り」という名称に変わっている。

昭和記念公園入口  駅と歌碑を結ぶ高架橋から立川方面を撮る

青梅線西立川駅  公園の西立川口は、同園プールの最寄口だけあって、行く夏を惜しむかのようにこの日も多くの家族連れなどで賑わっていた。西立川口前は円形の広場になっていて、ベンチやトイレなども設置されている。また公園と駅を結ぶ橋からは見晴らしがよく、沈み行く夕陽をバックに記念撮影する人たちの姿も見られる。 橋の下に降りてみると、ここを走る公園南通りは真っ直ぐ伸びている道で、道路脇には整然と木々が立ち並んでいる。公園と青梅線以外に視界に入るものはあまりなく、どこかガランとした雰囲気だ。 時代は変わっても、未だにアメリカの残り香が漂っているように感じられる場所だ。
  なお、同昭和記念公園では9月16日の敬老の日は、65歳以上の人は無料入園日となっている。
  立川の歴史に思いを馳せながら、広大な園内を散策するのも悪くはないだろう。

(2013年9月掲載)  地図


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