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八高線の北八王子駅から徒歩10分の場所にある集合住宅歴史館。同館は都市再生機構・技術研究所内の一角にあり、戦前から80年以上にわたる近代集合住宅の歴史と技術を見ることができる。
館内には移築復元(一部)された各住宅が展示されている。
戦前に建てられた日本初の本格的な集合住宅である同潤会・代官山アパート、昭和30年代の代表的な中層集合住宅・蓮根団地、公団住宅初のエレベーターを備えた晴海高層アパート、庭つきの郊外型低層住宅・多摩平団地テラスハウスの4住宅。
特に昭和2年に入居が始まった同潤会・代官山アパートは、電気・ガス・水洗トイレを備えた鉄筋コンクリート造りであり、近代集合住宅のさきがけとなったアパートとして建築史的にも価値が高いものだ。
2DKタイプの蓮根団地は、ダイニングキッチンと2つの寝室を備えることにより、戦後住宅のテーマであった「食寝分離」を実現している。これは当時としては画期的な住宅だったようだ。今ではなかなかお目にかかれない木製の浴槽や、足つきのブラウン管テレビなども展示されている。「そうね、お風呂はヒノキの匂いがしたわね。懐かしい」と見学に来た70歳代のご夫婦が話していた。
実際に部屋に足を踏み入れると、その時代時代の雰囲気が蘇ってくる。当時の人々の暮らしぶりを体感できる貴重なスポットだ。
また公団仕様の住宅設備の変遷や、集合住宅の歴史がが一覧できるコーナーもある。
案内担当の人が丁寧に説明をしてくれるので、集合住宅の歴史がわかる。
■集合住宅歴史館 (八王子市石川町2683-3)
見学日/火・水・木曜と第2・第4金曜、
13時半〜16時半、要申込。
TEL/042-644-3751
(2012年9月掲載) 地図
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