小さな散歩道

長池公園  (八王子市別所)

長池
自然館入口
とんぼ池近くの水車小屋
雑木林は近隣の住民の散策コース

 南大沢駅から京王堀之内駅行きのバスに乗り、長池小学校入口で下車。このバス停の目の前に広がる広大な緑地が長池公園だ。同園は「里山文化の継承と創造」をテーマとした自然保全型公園で、池や小川を中心とした水辺環境や、保全された雑木林が20ヘクタールの敷地に広がっている。
  まず訪れたいのは、入口近くにある長池公園自然館(開館9:00〜17:00)だ。館内には園内で観察できる動植物の案内や、里山展示のコーナーがある。散策マップや各種パンフレットなども置かれている。
  自然館から園内を下っていくと、木々の間から園内最大の池、築池が見えてくる。池の正面に回り一望すると、生い茂る樹木に囲まれて広がる池の姿に、まるでジャングルにでも来たような気分になる。後ろを振り返ると、巨大な長池見附橋が視界に飛び込んでくる。橋を写す姿池の上にそびえる姿はまさに圧巻で、思わず息をのんでしまう。

池見附橋

大正ロマンの香りいっぱいの長池見附橋の街燈  長池見附橋は、大正時代に造られた四谷見附橋の再建に伴い、1893年にこの場所に移設されたもの。ネオバロック様式の優雅なデザインは大正ロマンのかほりがする。実際に間近で見上げるとかなりの重厚感があり、歴史の重みを感じさせられた。
  散策路はよく整備されており、里山方面以外はあまりアップダウンもなく、快適に散策を楽しめる。園内にはホタルやタヌキ、ウシガエルをはじめ、数多くの生物が生息しているとのこと。この日も都市部では見慣れない昆虫や野鳥を多く目にすることができたが、時折轟く聞き覚えのない鳴き声には少し驚いてしまった。
  園内は観察ゾーンと保全ゾーンがしっかりと分けられており、立ち入れるスペースはそれほど広くはないが、心地よい環境をつくるという意識が伺われる公園だ。公園を管理しているのは市から委託されたNPO団体で、この日も多くのスタッフが暑いさなか公園整備に精を出している姿に頭が下がる。

(2012年8月掲載)  地図  ホームページ


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