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駅の改札を出て右側に進む。アウトレットモールなどが立ち並ぶメインストリートを抜け、首都大学東京に架かる橋の手前で階段を下りる。首都大学東京東の信号を渡り、少し坂を下ると南大沢八幡神社に着く。駅から歩いて10分もかからないくらいだ。
南大沢八幡神社は、境内に市指定天然記念物のオオツクバネガシがあることで有名だ。この樹齢600年以上ともいわれる巨木は、明治13年の火災により枯死したと思われていたが、しばらくして再生したために地元の人からは「不死身のアカガシ」として大切にされてきたそうだ。実際、太い幹には穴が空いてしまっているが、枝は大きく広がり、葉も青々と茂っていて、それほど衰えた様子は見られない。木の裏側は崖にもなっているが、何事にも動じずに大地を踏みしめてきたという意地を感じさせる巨木だ。
小さい神社だが、この日も朝早くから参拝客が訪れており、地元の人からは厚い信頼を集めている様子だった。神社横手には末広稲荷大明神も隣接している。
神社を出て、坂を少し上がると松木日向緑地がある。ここは首都大学東京キャンパスの一角を占める学内緑地だ。緑地内には3つの池があり、生い茂った雑木林の中を散策路が縦横に伸びている。広大な緑地内にはシラカシやスダジイなどの常緑樹が多く生育する常緑樹林や、文字通りイモリやカエルの生息するイモリ池などがある。
入口近くのひょうたん池には小さな橋が架けられており、近くにはベンチも置かれていて、一息つくにはなかなかいいスポット。池には鯉や亀が生息しており、周辺には小さな梅林もある。池の奥に進んでいくと、林の中に見事な竹林が天高く伸びていた。鬱蒼とした自然の中を歩いていると、ここが駅近くの場所とは思えないくらいだ。
斜面を登りきると学生食堂の辺りに出る。この辺りは普通の大学キャンパスといった雰囲気で、緑地内とのギャップが面白い。この日も足早に登校する学生たちの姿が見られた。
(2012年5月掲載) 地図
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