小さな散歩道

高尾駒木野庭園

心字池に錦鯉が

藤棚のある縁側

建物入口 

 高尾駅北口から小仏行きのバスに乗り、「病院前」で下車。この駒木野病院のすぐ隣にあるのが、今春オープンしたばかりの敷地面積2,900平方メートル(約880坪)の高尾駒木野庭園だ。
  同園の建物は、駒木野病院の前身である小林病院の住居兼医院として利用されていたもの。大正時代に建設された平屋の母屋と昭和初期に増築された2階屋で構成されている本格的な日本建築だ。
盆栽「五葉松」  庭園は池泉回遊式庭園と枯山水庭園、露地(=茶庭)から構成されている。入口から続く石畳を抜け、まず目に入るのは盆栽棚。樹齢60年以上のもみじや蝦夷松、真柏などが整然と並んでいる。これらの盆栽は日本盆栽協会八王子支部から寄贈された。
  園内中心にある心字池へ。池をのぞくと有名な大正三色や昭和三色、全身金色に輝く山吹黄金など、色とりどりの錦鯉が泳いでいた。回遊式庭園だけあって池周辺には散策路が整備されており、藤棚の下にベンチも備えられている。禅の思想を表現した滝石組「龍門瀑」を眺めながら一息つくのはなかなか心地がよい。

建物から庭を見る 枯山水の庭園

水琴窟  建物の1階部分には自由に入ることができる。一歩足を踏み入れると、木の温もりと畳の香りがどこか懐かしさを感じさせる。和室には座布団とテーブルが備えられており、こちらでなごやかに談笑するグループも見られた。縁側から高尾の山々を背にした庭園の眺めは素晴らしく、時の経つのを忘れてしまう。
  一番奥の和室からは枯山水庭園を楽しむことができる。枯山水とは室町時代に発達した庭園形式で、白砂の上に自然石や植栽などを組み合わせることによって、ひとつの観念的世界を表現しているそうだ。さまざまな灯篭や樹木が巧妙に配置されており、一服の日本画を目の前で見ているような光景に心が安らぐ。

■高尾駒木野庭園
開園期間/9:00〜18:00 (9〜10月は17:00、11〜3月は16:00)
入場無料

(2012年6月掲載)  地図


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