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JR高尾駅北口から小仏行きのバスで「駒木野」下車。バス停の目の前にあるのが小仏関跡の碑だ。
1869(明治2)年に全国の関所とともに廃止されるまで設置されていた小仏関所をいまに伝える。
天正年間(1573〜1592)に小仏峠の頂上に築かれたのが始まりだ。
その後、ふもとに移され、北条氏の滅亡後に徳川幕府によって現在地に整備された。
東側に川底の深い小川が流れる、緩やかな坂道の途上。堅固な関所だったと伝えられる。
東西に門が設けられ、周辺には竹矢来が組まれていた。
往時をしのばせるのが、碑の前に残された二つの石。番所の前にあったのだという。
一方の「手形石」は、通行人が手形を置くためのもの。通行人はもう一方の「手付石」に手をついて、通行の許可が下りるのを待った。
1888(明治21)年に甲州街道は、小仏峠を通らない現在のルートに変わった。
旧道を保存しようという動きのなかで1928(昭和3)年、国の史跡に指定され、碑は翌年に建立された。
小仏関跡公園の一角にあり、散歩に訪れた8月22日には、夏祭りのためのやぐらが組まれ、夜に向けて慌ただしく準備が進められていた。
辺りは整然とした住宅街だ。150メートルほど離れた駒木野公園に、1980年代の区画整理事業を記念した石碑が建つ。 この公園は高尾梅郷の遊歩道沿いにある。毎年2月中旬から3月にかけて梅が咲き誇る。いまの時期は緑の濃い葉が木陰を作り、小仏川のせせらぎが涼感を誘う。川にかかる橋には風情がある。一休みしたり、お弁当を食べたりするのにいい。
時間帯によっては、バスは1時間に1本。二つの公園でゆっくりするもよし、ついでに遊歩道を散策するもよし。徒歩でも20分ほどで駅に出られる。
(2010年9月掲載) 地図
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