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西八王子駅北口からバス、泉町楢原方面行きで「花川」下車、または八王子駅から四谷経由で「薬師前」下車。山門をくぐるとすぐ左にあるのが延命閣地蔵堂だ。1590年(安土桃山時代末期)6月23日、八王子城が落城したその時の戦死者で相即寺に縁のあった283人をまつる。153体のお地蔵さまが安置されているが、そのうちの一体のお地蔵さまに、ランドセルがかけられている。
敗戦色が濃くなった昭和20(1945)年7月8日、東京・品川から八王子市に疎開していた小学校4年生の神尾明治(あきじ)くんがアメリカ軍の爆撃機による機銃掃射(きじゅうそうしゃ)で亡くなった。明治くんの母親は相即寺の延命閣地蔵堂に安置されているお地蔵さまの中から、顔が明治くんに似ていたお地蔵さまに明治くんの残したランドセルをかけた。
「明治くんはお寺に隣接していた隣保館保育園(現・老人ホーム長寿園)に疎開していて、今はお寺の墓地になっているけど当時は麦畑だった所で撃たれてね。かわいそうにね」と近所のお年寄りが教えてくれた。訪れた日は公開日ではなかったので拝観することが出来ず、お堂前に作られた石のランドセルを背にしたお地蔵様に手を合わせて帰った。お堂は城が落城した6月23日、明治くんが亡くなった7月8日、そして、夏休みの8月8日(8時〜18時)の3回のみ一般公開している。
7月、八王子市郷土資料館ガイドボランティア紙芝居会は、明治くんの悲劇を始め、戦争の悲惨さを後世に伝え残したいと、紙芝居「八王子空襲」を完成させた。「松姫ものがたり」に次ぐ2作目だ。ストーリー作りから約2年かかった。八王子に住む70代の女性が、戦争中に八王子市で起きた衝撃的な事件や当時の暮らしを語るという内容だ。上演は8月7、22日、14時から同郷土資料館で「松姫ものがたり」と2本立て。無料。
■問合せ/八王子市郷土資料館 TEL:
042-622-8939
(2010年8月掲載) 地図
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