小さな散歩道

黒川清流公園 〜夏〜 日野市東豊田3丁目

 中央線豊田駅北口から住宅街を通って10分足らず、一辺をコンクリートで仕切り、その中に水を満々とたたえた、一見風変わりな池に出た。水上にはあずまや風の建物が建ち、中にはベンチが6台ほどあって、休憩することが出来る。池の一方は新緑が茂る斜面だ。
  池の中には大きな鯉が泳ぎ、亀も何匹か石の上で日なたぼっこしている。周りのやぶには、カモの親子がいるらしく、時折草葉をゆらしたり、頭をのぞかせたりしている。掃除をしていた男性の話では、水場に近く隠れ場所もあって、子育てに最適なのだそうだ。
  その池の斜面側に、柵で囲った一角があった。傍らに立つのは「黒川湧水わさび園」の看板。「黒川湧水を生かす会」が管理しているとのこと。わさび園は黒い覆いをかぶせ、周囲を網で囲んでいる。中には丸味を帯びた大きな葉がひしめき合って生い茂っている。わさびは、清流の上、冷たい水でなければ育たないと聞いているから、それだけこの水が清く、ひんやりしているということなのだろう。
  わさび園を潤し池に注いだ清流は小川となって、林の傍らを至る所に小さい池や大きい池を作りながら流れて行った。その流れに沿って伸びる遊歩道も、クヌギや桜の大木に覆われ、緑のトンネルとなっていた。

 

(08年7月掲載)  地図


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