小さな散歩道

ねんも公園  日野市高幡

 京王線高幡不動駅北口を出て多摩モノレールの駅を過ぎ徒歩約10分、 程久保川にかかる橋の手前左の遊歩道を入ると公園の入り口があった。 長方形をした公園の半分近くは、青々とした草むらに覆われている。
 不思議な名前の多い市内の公園でも、特に変わったその名前の由来を知ろうと、 園の正面入り口にある説明板を見に行った。それによると、 かつて公園近くの用水路にどんよりした渕があり、水中植物が年中青々と茂っていることから、 地元の人が「ねんも」と言い、かつての小字名でもあった、とある。 つまり年中茂っていた藻を「ねんも」と呼んだのだろうか。 脇を流れる程久保川の中をのぞいて見たが、今それらしい藻は生えてはいない。
 公園の南側は川を挟んで京王線が走り、東西は団地や住宅地、北側には一部農地がある。 広場は真ん中あたりで半分ずつに分かれていて、東側の広場にはロープで登るような丸太製の遊具と、 ゴムタイヤやロープで編んだネットを組み合わせた大型の木製遊具がある。 また西側の広場には、滑り台などがついた赤や黄色の色鮮やかな複合遊具があった。 どちらも、近くの子ども連れが遊んでいた。
 園の半分近くを占める草むらにはススキやクズ、ヒマワリなどが生い茂っている。 「自然の原っぱにしよう」という意図らしい。アブラゼミが行く夏を惜しむように、鳴いていた。

 

(2007年10月掲載)   地図


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