小さな散歩道

みはらし公園  日野市南平2丁目

 北野街道から「日本野鳥の会」方面に入り、住宅街の坂を上って約15分、一直線に上を目指している高い石段の下にたどり着いた。
  幅1メートルちょっと、両側に手すりのある石段を一歩一歩踏みしめて登る。湧き水だろうか、かなり濡れている所があるので、すべらないように気をつけながら。数えたら106段。2分ほどかかった。息が弾んだ。
 登りきって、後ろを振り返る。南平の住宅街が手に取るようだ。さらに進むと石造りの低い門柱が、木立に囲まれてひっそりと建っている。奥には三方を山に囲まれ、小ぢんまりとした公園が広がっている。ケヤキ、プラタナス、松、アオギリがこんもりと茂り、真夏の暑苦しさを感じさせない。
  広場には、ベンチもあちこちに置かれ、すべり台や鉄棒など子供向けの遊具もチラホラあるが、最も目を引くのは、コンクリート製の大きな塔だろう。高さ十数メートルありそうで、直径も5メートル以上はありそうだ。近づいて見ると、「東京都水道局 南平配水所」の表札。貯水槽なのだろう。水をたたえているのか、周囲はヒンヤリした感じだ。
  住宅地の間近にありながら、人影は余りない。高い石段にさえぎられているせいかも知れない。でも「みはらし」の名の通り、八王子、豊田、平山、南平の市街地はもちろん、奥多摩や遠く秩父らしい山並みも一望だった。

(2005年9月掲載)  地図


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