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鳥居
東急多摩川線の武蔵新田駅から、小規模なお店が立ち並ぶ商店街を進むと、右手に新田神社が見えてきた。駅から徒歩5分ほどの距離だ。
新田神社の創建は、正平13(1358)年。敵の謀略により、多摩川の川岸で戦死した武将・新田義興(よしおき、義貞の弟)の怨霊を鎮めるために村人たちが創建したと言われている。
この日はまだ1月中旬ということもあり、鳥居の前には「新春」、「謹賀新年」などと書かれた色とりどりののぼり旗が立っていた。
おめでたい雰囲気に包まれながら境内に入ると、参道脇に御神木の大ケヤキが伸びていた。樹齢700年というこの大ケヤキは、江戸時代の落雷や戦災によって幹が大きく裂けてしまっているが、新緑の季節には青々と葉を茂らせるという。立派な御神木の脇には手水舎があり、こちらは可憐な切り花が浮かべられ華やかな雰囲気を演出。背後にはウメの花が描かれた提灯が掲げられていた。
参道正面の社殿は、昭和35(1960)年に再建されたものだが、落ち着いた雰囲気の造りがなかなか美しい。この日は参拝客の姿も多く、近隣の人たちが次々にお参りをしていた。

社殿
新田神社は破魔矢の発祥の地ともいわれており、社殿の手前には巨大な破魔矢のオブジェがある。江戸時代、蘭学者の平賀源内が境内裏手に生える竹で魔よけの「矢守」を作り、頒布したことが破魔矢の始まりだという。
社殿の左手に進むと、なんと石の卓球台があった。境内に置かれた卓球台は異様な存在感を放っているが、ラケットと球の貸し出しも行なっているそうなので、友人同士で遊んでみるのもいいだろう。
卓球台の近くには「厄割石」がある。これは「桃玉」という小石を大きな「厄割石」に投げて割ると厄が落ちる、というもの。この日は、若い女性が思いっきり桃玉を投げつけていた。これで今年も安泰というものだ。
破魔矢のオブジェや石の卓球台は、町おこしの一環として行なわれた「多摩川アートラインプロジェクト」によるものだ。社殿右手には「LOVE」と刻まれた石の彫刻が設置された「LOVE神社」もあった。
社殿の手前には一休みできるベンチがあり、お年寄りに優しい神社だ。絵馬掛けの手前にはテーブルとベンチを設置。「絵馬書き処」となっていて、「多くの人に訪れて欲しい」との思いが伝わる、とても居心地のいい神社だ。
(2026年2月掲載) 地図
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