| 小さな散歩道 目次へ |




東急多摩川線の多摩川駅から南へ線路沿いに多摩川線駅前通りを徒歩5分ほど行くと、左に田園調布中央病院、その隣奥に多摩川にかかるブルーの丸子橋が見えてくる。
道の右の高台の中に多摩川浅間神社が建っている。石段を登ると多摩川に向かって広い駐車場が突き出ている。だが、よく見ると社務所があるのみで本殿はない。もう一段登った所に本殿はあった。

本殿
登り切った先に立派な本殿が迎えてくれた。本殿に向かって両サイドにピンクと白の風車が2本の紐に取り付けてあり、華やかさと優しさを演出している。
同神社の御祭神は木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)。三つある社紋の真ん中が桜なのも、この祭神にちなむ。
創建は鎌倉時代というから今から800年前。源頼朝が豊島郡滝野川松崎に出陣した後、妻政子が夫の身を案じ、後を追い多摩川まで来たが足を痛め、やむなく多摩川畔で傷の治療のために滞在。その際に亀甲山(かめのこやま)から自分の守り神、富士山が鮮やかに見えた。富士吉田には、自分の守り本尊である浅間神社がある。夫の武運長久を祈り、手を合わせ、身に着けていた正観世音像(しょうかんぜおんぞう)をこの丘に建てたという。村人たちはこの像を「富士浅間大菩薩」と呼び、祀ったのがこの神社の起こりだそうだ。
冬の展望台からの眺望は12月から2月の朝6時〜8時がベスト。空気が乾燥していて湿度が低いため、遠景がはっきり見えるからだ。多摩川河川敷の自然や武蔵小杉の都会的なビル群と富士山、東急東横線が丸子橋を渡る姿もくっきりと見える。冬の展望台には早朝には雪をかぶった富士山を、夕方には夕日に浮かぶ富士山を狙うアマチュアカメラマンが集まる。
(2025年12月掲載) 地図
| 小さな散歩道 目次へ | 前へ | 次へ |