小さな散歩道

旧六郷橋の橋門と親柱(大田区仲六郷4-30宮本台緑地公園内)


現在の六郷橋の親柱

六郷橋を川崎駅側から見る

稲毛神社


旧六郷橋の橋門と親柱(宮本台緑地公園)

  京浜急行六郷土橋駅から徒歩2分。宮本台緑地公園に着く。川崎方面の出口のところにレトロな感じの大きな橋門があった。うすウグイス色に塗られた旧六郷橋の橋門で親柱もあった。

 六郷橋は1600年に徳川家康が大田区の六郷〜川崎間に作った。だが度々の洪水で修復と架け直しが繰り返され、江戸幕府は橋を架けることを断念した。明治になるまで、渡し船による渡河(とか)が続いた。
  1925(大正14)年、鉄構造の旧六郷橋が架けられ、1984(昭和59)年、現在の橋に架け替えられるまでの約60年間活躍し、川崎の発展を支えた。

 旧六郷橋のもう1対の親柱は川崎市川崎区宮本町の稲毛公園に保存されているというので見に行くことにした。
  公園脇の階段を上って六郷橋に出た。真ん中を自動車が走り、側道が歩行者と自転車用になっている(全長450メートル、幅約35メートル)。川崎方面に向かって進むと、柱の上に小舟を乗せた六郷橋の親柱があった。

 川風に吹かれながら広い青空の下をゆっくり歩いた。ふと橋から下の河川敷を見ると、ゴルフの打ちっぱなしの練習をする人がずらりと並んでクラブを振っていた。


親柱1対が稲毛公園に今も保存されている

  渡り切ったところにも親柱があり、小舟のモニュメントを柱に乗せていた。そのまま国道15号(第一京浜)を進む。歩道橋にぶつかる手前の右に稲毛神社。その先隣りが稲毛公園だった。
  21世紀に入り2002年、川崎市誕生30年を記念に、住民の発意と川崎商工会議所、国土省、川崎市の尽力によってその親柱1対を近代化遺産として位置付け、再現精美された。

(2024年10月掲載)  地図


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