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東急東横線・東急目黒線田園調布駅から徒歩5分ほど。駅改札を出て左を見ると階段の上に童話の世界に出てきそうな旧駅舎があった。田園調布駅は1990年、地下に移設されたが、10年後、町のシンボルとして旧駅舎がいまの場所に復元された。
旧駅舎をくぐり駅の西側へ。バラが咲く池を起点に放射線状に伸びる3本あるイチョウ並木道の左の道路を進む。正面突き当りが宝来公園だ。
丘陵を生かした公園には東屋も
この公園の前身は大正14(1925)年、田園調布株式会社が開発に際し、武蔵野の旧景を後世に残すために街の一角の汐見台の地を公園用広場として残したのが始まり。その後、贈与された田園調布会から東京市に寄付され、昭和11(1936)年、東京市が「宝来公園」として開園。その後、大田区に移管された(大田区の宝來公園の由来より)。名前は、公園から100メートルほど先にある宝来山古墳から取ったそうだ。
雑木林に覆われた丘陵地の公園(約 1万2400 平方メートル)で、ウメ、サクラ、クヌギ、シイなど約70種1500本の花や樹木が深緑の空間を造り出している。
多摩川に向かって石段を降りながら行くと池や遊具のある広場に出た。小さな子どもがカラフルな複合遊具に昇ったり降りたりして繰り返し遊んでいた。この日は日曜日だったためか、おじいちゃんやお父さんが見守る姿が多くみられた。池の近くでは小学校のお兄ちゃんたちがネットを片手にトンボ取りに夢中になっていた。
後世に残したい武蔵野の面影をしのばせる閑静な公園だ。
(2024年7月掲載) 地図
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