小さな散歩道

多摩川スカイブリッジ (川崎市川崎区殿町3丁目)

 2022年3月に開通した「多摩川スカイブリッジ」は、京急線または東京モノレールの天空橋駅から徒歩15分ぐらい。幅17.3メートルの車道の両脇に歩道と自転車道のある、全長674メートルの橋だ。多摩川を渡り、東京都大田区の羽田空港エリアと神奈川県川崎市を繋ぐ。


(上)羽田空港船着場から見える「多摩川スカイブリッジ」
(右) 天空橋駅前ロータリーにある「旧三町顕彰の碑」

  モノレールの天空橋駅周辺は開発の真っ最中で、駅前ロータリーはできたばかりの雰囲気だ。そんなロータリーのバス停前広場に「旧三町顕彰の碑」がある。旧三町とは羽田鈴木町、羽田穴守町、羽田江戸見町の3町で、この地域の江戸時代の新田開発から近代の羽田空港の開設・発展の歴史が、写真とともに説明板にまとめられている。足元には「活気にあふれた古き良きまち『旧三町』の様子」の航空写真のプレートも。今は新しい未来都市のような景観だが、かつては海苔漁や穴守稲荷神社近隣の行楽地として賑わっていたこのまちの歴史を思いながら、建設中の羽田イノベーションシティの現場横を通り環八通りへ。


環八通りから見える羽田空港

「ソラムナード羽田緑地」は6月頃に
オレンジ色のスカシユリで満開になると告げる案内板

  環八通りを南東へ直進する。大型車が頻繁に行き来していて交通量は多いが、ゆったりとした歩道が確保されているので案外歩きやすい。 通りの左側に羽田空港があり、道路の反対側からでも航空会社のマークが付いた旅客機が何機も止まっているのが見える。上空に、ちょうど羽田を飛び立つ飛行機が見えた。

  環八通りが多摩川に出合う辺りは、2019年4月に「ソラムナード羽田緑地」として開園、展望テラスや散策路が整備されている。柵内には海辺の潮風に強いスカシユリが植えられていて、5月下旬から6月中旬にはオレンジ色の花が一面に広がる。


1月現在の「ソラムナード羽田緑地」

  環八通りと多摩川の間で、細長く続く全長約1キロの緑地には、出入口のゲートが1から7まである。ゲート2と3の間に羽田空港船着場があり、今回の目的地・多摩川スカイブリッジへは、ゲート3の先にある階段から上がる。

  橋には幅員7.5メートルの2車線の車道に加え、両側に4.9メートル幅の歩道・自転車道がそれぞれ設けられているので、歩行者も安心して歩ける。ただ、川面からはかなり高い所を通ることになるので、高所が苦手な人はちょっと怖いかもしれない。

  歩道では、カメラを構えている人が何人もいた。そのアングルの先を見ると、ちょうどモノレールが通り、羽田空港を離発着する飛行機を一緒に収められる構図だった。

(右)「多摩川スカイブリッジ」を大田区側から見る

(2023年1月掲載)  地図


小さな散歩道 目次へ 前へ  次へ