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C57形のSL
大森駅の東口を出て、線路沿いを南に進む。飲み屋街を抜けると、右手に小さな広場があった。入新井西公園は、駐輪場を挟んで2箇所に分かれたような造りになっていて、この北側の入新井西公園は、園内にせせらぎが流れる小公園だ。水色と白の縞模様の柱が印象的な園内では、仕事の合間に一息つく会社員の姿が見受けられた。
駐輪場を過ぎると、大きなSLが展示されている南側の入新井西公園に着いた。この公園には園内東側を一周する乗り物コースが設けられており、子供用自転車や三輪車、豆自動車を無料で貸し出している。思い思いの乗り物に乗った小さな子どもたちは、お父さんやお母さんに励まされながら、コース内を夢中になって走っていた。
また、コース内には横断歩道や交通標識などもあり、車線も自転車と三輪車・豆自動車用で分けられている。小規模ながらも充実した交通公園といった雰囲気だ。なお、周回コースの内側には滑り台や砂場などの遊具があり、こちらで遊ぶ子どもたちの姿も多く見かけられた。
園内のフェンスで囲われた一角に展示されているSLは、C57形の蒸気機関車で、そのスマートさから「貴婦人」の愛称で親しまれたそうだ。色鮮やかな花壇に囲まれたSLは、近くで見るとなかなか迫力がある。また、このSLは所定の時間(12時と15時)になると汽笛が鳴り、動輪が5分間稼動するという。そわそわしながら所定の時間を待っていると、「ポーッ」と大きな汽笛が鳴り、動輪がゆっくりと回りだした。回転する動輪に思わず見入ってしまうが、ふと横を見ると、小さな男の子が夢中で動輪を凝視していた。なお、このSLの運転席には立ち入ることができる。計器類などが並ぶ運転席では、子どもたちが楽しそうに遊んでいた。
SLの隣には消防車も展示されており、こちらの運転席も開放されている。運転席に乗り込んでみると、前方には「電動サイレン」、「赤色警光灯」など、普段見慣れないスイッチが並んでいた。
SLの背後には線路が走り、電車がひっきりなしにやってくる。乗り物好きの子どもたちには最高のスポットといえるだろう。
(右)運転席に乗れる消防車
■入新井西公園
乗り物利用時間/9:00〜16:00
フェンス内施設利用時間/8:30〜17:00
(2022年8月掲載) 地図
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