小さな散歩道

田園調布駅旧駅舎(大田区田園調布3‐25‐18)


池のほとりに田園調布会の看板

西に広がる3本のイチョウ並木の内の1本

旧駅舎を東側から撮影。 現在の駅は写真左の地下


2000(平成12)年に復元された旧田園調布駅舎(西口)

 今は駅舎としては使われていないが、街のシンボルになっている田園調布駅旧駅舎を訪ねた。現在の田園調布駅のホームは地下にあり、東急東横線と目黒線が乗り入れている。
  地下からエスカレータで地上に。改札口を出るとちょっとした広場があり、左の階段上に昔のヨーロッパにありそうな建物がデンと構えている。屋根の形はサンサード・ルーフというヨーロッパ中世紀の民家がモデルだそうだ。壁面に「関東の駅百選認定駅」という札がかかっていた。


旧駅舎前の池とベンチと花壇 (今年5月11日撮影)

  建物の中を通り抜けると西口に出た。目の前に半円形の池があり、その周りのベンチでは、市民がおしゃべりしたり、読書をしたり。ゆったりとした時間が流れていた。

  旧駅舎を起点に5本の道が放射状に広がり、そのうちの3本がイチョウ並木だ。ゆったりとした街並は今も変わらない。
  大正時代、畑だった一帯を自然豊かな「田園都市」として「田園都市株式会社」(現在の東急電鉄の前身である目黒鎌田電鉄の母体会社)が開発した。駅は1923(大正12)年3月開業。そして設立から67年後の1990(平成2)年、駅の改良工事により解体された。解体について地元から歴史ある駅舎を惜しむ声があり、2000(平成12)年、外観、色ともに旧駅舎を忠実に復元された。祝賀会は地元の「田園調布会」が主催した。

 緑豊かな閑静な住宅地として田園調布を開発した「田園都市株式会社」の筆頭呼びかけ人は、実業家の渋沢栄一だったと知り、彼の知らなかった一面をみた。

(2022年6月掲載)  地図


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