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本殿
新丸子駅から徒歩13分。駅の東口に出て、真っすぐ伸びる「東栄会」商店街を進む。新丸子の信号で綱島街道をわたり「八幡町共進会」商店街を行くと、川崎七福神のひとつ、恵比寿様を祀っている大樂院にぶつかる。右の横須賀線と東海道新幹線の線路の下をくぐると平安時代創建の日枝神社という看板が目に入る。正面に回り鳥居をくぐる。
川崎市指定の保存林、ケヤキ、カシ、シイがそびえる。参道の左右に木遣り塚、大神輿庫、神猿と獅子の像、神楽殿、各町内神輿庫などが並ぶ。
由来は第50代桓武(かんむ)天皇の嫡子が809年(平安時代)に滋賀県の日吉大社の分霊を奉じ、この丸子の地に宮造りをしたのが古くは山王社、現日枝神社だ。1918年に村内の6社が合祀された、1200年以上の歴史をもつ神社だ。
本社は1790年に建てられたが、1923年の関東大震災で本殿以外の幣殿、拝殿が倒壊。5年後に幣殿と拝殿が新築された。本殿は間口が三つあることから三間社流造といい、現存する川崎市内の江戸時代の神社本殿は一間社がほとんどなので、三間社はこの日枝神社だけのようだ。本殿の意匠は華やかで、正面向拝には「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿の彫刻がある。 本殿は1990年に川崎市重要歴史記念物に指定されている。
御神木の大杉
本殿の裏手に祀られている「御神木の大杉」は必見。樹齢およそ700年の杉の樹根だ。明治時代には樹高30メートル、幹回り8メートル、3本に分かれていて「山王さんの大杉」と親しまれていたそうだ。
神楽殿は、神様が舞をご覧になりやすいように本殿と向かい合う位置に建てられている。神代神楽の舞を神様に奉納する舞台は川崎市内では珍しい。
地元の人々に愛されている神社ということは夏の丸子山王祭を見ればわかる。8月13日の宵宮から14日の例大祭斎行、15日の大神輿渡御までの3日間は丸子の町を祭り一色に染める。神社のホームページにはその賑わいがアップされている。
■丸子山王会・会員募集 丸子山王日枝神社を崇敬する18歳から70歳の人で、神輿の渡御・神輿の保存・伝承に関わりたい人、奉仕活動に参加したい人が対象。興味のある人は同神社社務所へ問い合わせを。
■宮司さんによる「悩み事相談」 (無料)を受付けている。要予約。
問い合わせ・予約/TEL:044‐422‐3271(同神社社務所)
※同神社は武蔵小杉駅からも沼部駅からも15分以内で行ける。
(2022年4月掲載) 地図
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