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中央に咲く白梅。武蔵小杉駅周辺のビル群が見える
大井町線尾山台駅下車徒歩10分(または東急バス「不動下」下車徒歩7分)。尾山台駅前のハッピーロード(尾山台商店街)を多摩川の方向に進む。環八通りの尾山台交差点を渡って下り坂を進むと、左側に「狐塚古墳緑地」(1,064平方メートル)と書かれた表示板が見えた。
案内板によると「狐塚」という名の由来は、かつてここに稲荷神社があったからだそうだ。事実、1919(大正8)年まで、実際に狐が住んでいたと伝わっているとか。墳丘は1932(昭和7)年に土地区画整理によって一部を削り取られ、東側と西側はそれぞれ切り通しの道路に、北側と南側は住宅地と接近している、とあった。
表示板の脇の急な階段を昇ると、すぐに墳丘の頂上に出た。古墳全体は道路からは約6メートルほど高く、平坦な円形(直径約30メートル)で真ん中が少し高くなっていた。南側斜面はアカマツの大木の樹林地だが、冬の今は葉がないので、視界が開け、武蔵小杉駅付近のビル群が見えた。「晴れた日に富士山を望むことができます」と世田谷区の広報にはあったが、この日は西の空に雲がかかり見ることができなかった。
この狐塚古墳は野毛古墳群(荏原台古墳群の一部)に属し、古墳時代の中期後半、5世紀後半に造られたようだ。今まで行われた3回の調査によると、墳丘から埴輪の破片が多数発見され、頂上部には粘土でくるまれた木棺が埋葬されていると考えられている。縄文土器や石器、古墳時代の土器も出土していることから、古墳ができる前の時代から、この地に人々が暮らしていたことがうかがえる。
中央の少し高くなった部分には白梅の木が植わっていて、訪れた2月23日は満開だった。この梅の木の下で休んでいた青年が尾山台のゆるキャラ「オッポン」(緑色のお山のカラダにキツネのしっぽと頭のお花がチャームポイント)のしっぽは、この狐塚の狐から生まれたことを教えてくれた。
■開門時間/3月まで8時30分〜16時30分。4月〜10月まで17時30分まで。東側の階段の脇にトイレあり。
(2022年3月掲載) 地図
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