小さな散歩道

聖火リレー走者像(大田区東蒲田1-19-25)


(上) 梅と桜の木の植栽の中にある聖火リレー走者像と説明版
(右) 筋肉の躍動感が表現されている

 1964(昭和39)年第18回オリンピック東京大会の時、大田区民による聖火ランナーが第一京浜(国道15号線)を走った。そのことを記念した「聖火リレー走者像」が東蒲田公園にあるという。


クジャクの形をした遊具

カラフルな複合遊具

  京浜急行梅屋敷駅から徒歩5分、蒲田駅から7分。大田区総合体育館の裏に公園はあった。南北に細長く、カラフルな複合遊具、砂場、水飲み場などがある。


よく手入れされた花壇

  一見、聖火リレー走者像がどこにあるのか分からず、不安に。よく見ると「だれでもトイレ」の北側の梅や桜が植栽されているエリアにあった。左手に聖火を持ち、全裸で力強く走る男性の像だ。肩や足の躍動する筋肉の隆起から生命の躍動感が感じられると評価されている。作者はあの「長崎平和祈念像(長崎市平和公園内)を彫った美術家・北村西望(せいぼう)氏(文化勲章受章者)だった。

  近くにある「(旧)大田区体育館と聖火リレー走者像」という説明板によると――

  第18回オリンピック東京大会の記念事業として、大会から半年後の1965(昭和40)年4月に(旧)大田区体育館が建設された。4年後の1969(昭和44)年には大田区民による聖火ランナーが第一京浜(国道15号線)を走った感激を後世に伝えるために聖火リレー走者像が東調布信用金庫(当時)から寄贈された。像は国道を臨む、(旧)大田区体育館表玄関前の池の中に設置された。
  その後、(旧)体育館は老朽化により改築、2012(平成24)年、大田区総合体育館としてオープン。改築に伴い、聖火リレー走者像も大田区総合体育館に隣接する東蒲田公園に移設された、とある。

  この東蒲田公園の聖火リレー走者像は南に向かって走っている。だが、実際の走者はオリンピックの会場がある東京方面へ、北向きに走ったはず。それが南向きに?
  実は、太陽光に映える南向きに設置してほしいという作者・北村西望氏の意向だったそうだ。

  2020東京オリンピックは8月8日に閉会になる。涼しい日を選んで、散歩がてら、街の中にある文化勲章作家のオリンピック関連彫刻を味うのもいい。マスク着用をお忘れなく。

(2021年8月掲載)  地図


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