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(上)みぞえ画廊入口
(右)
玄関に飾られた故・豊福知コ氏の制作中の姿
東急東横線田園調布駅、西ロータリーより徒歩約7分。左から2本目の道をまっすぐ進み、宝来公園にぶつかったら右折、十字路を越えた右側3軒目。草月流の大きな生け花が目印。2012(平成24)年5月より、常設ギャラリーとしてオープンした。
閑静な住宅街に建つ約400坪の和風住宅を、そのまま展示空間に利用した他に類をみない珍しいギャラリーだ。元は同ギャラリーの運営母体・溝江建設を中心とした総合建設企業グループの社長の自宅だった。
「生活の中にこんな風にアートを取り込んでみては、というご提案をさせていただく場として作りました」と同画廊。
現在は5月9日(日)まで、世界的な彫刻家として知られる豊福知徳(とよふく・とものり)氏の作品展が行われている。
(左)
緑に囲まれた画廊玄関 (右)中庭に面したリビングにも作品が並ぶ
門をくぐり、緑の中を玄関へ。中に入ると勢いのあるノミの跡が残る2メートル近い作品2体が出迎えてくれた。壁にはノミを振るう制作中の豊福氏の写真が掲げられている。和室、書斎、リビング、茶室、そして庭園と様々なシーンで豊福氏の特徴である楕円形の穴をいくつも開けた独特な造形作品が展示されている。
(左)「作品‘77」1977年 マホガニー 50×67.5×5.8cm
(右)「横たわる構成 V‘93」木彫1993年 42×66×248cm 和室にて
リビングにある作品に顔を近づけて、楕円の穴を覗くと向こうにある庭の景色が望遠鏡で見ているようにくっきりと見えてきた。不思議だ。和室では楕円の穴が施されたよじれた白いマットのような作品(「横たわる構成 V‘93」が横たわる。添い寝をしたくなるような優しさと安らぎにあふれている作品に思えた。
(上)茶室にも豊福作品は似合う
(右)
「春風」マホガニー 187×42×49 cm
豊福氏は福岡県久留米市出身。1957年に高村光太郎賞を受賞し、60年のベネチア・ビエンナーレ出品を機にイタリアへ移住。ミラノにアトリエを構え、40年以上、現地で制作を続けた。ローマ国立近代美術館や東京国立近代美術館など、国内外の美術館に作品が所蔵されている。2019年5月94歳で逝去。今回は三回忌にちなむ作品展だ。木彫14点(大小様々)、ブロンズ10点、アルミニウム2点(壁掛け)、デッサン(ペン画3点、鉛筆4点、パステル1点計8点)、 グワッシュ4点を展示。
次回は5月22日〜6月6日、八頭司昂(やとうじ たかし)展。
今後、高い実績を誇る実力作家から新進気鋭の若手まで、厳選されたアーティストたちによる企画展も開催していくという。
■みぞえ画廊 ウェブサイト
営業時間/10:00〜18:00
定休日/月曜日・火曜日は予約制、企画展開催中は無休
駐車スペース/1〜2台
TEL:03-3722-6570 FAX:03-3722-8777
(2021年5月掲載) 地図
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