小さな散歩道

暁星苑(ぎょうせいえん) 大田区田園調布4-11


暁星苑の石碑

宝来公園


暁星苑

 東急目黒線の田園調布駅。レトロ感たっぷりな旧田園調布駅舎の中をくぐり、放射線状にイチョウ並木が並ぶ高級住宅街に出る。左から2本目のフライドチキンの店と銀行のATMが並ぶイチョウ並木を西南に進む。両側に並ぶ豪邸を見ながら歩いていくと区立宝来公園に突き当たる。
  武蔵野の自然林を残した斜面には堆肥用に落葉を掃き集めビニールの袋に詰めている数人の作業員の姿があった。噴水や東屋もあり、ウメ、サクラ、ツバキ、クヌギ、シイなど約70種類、1500本の花木が植わっている。
  下に下りていくと遊具のある遊び場では子どもたちが鬼ごっこに興じていた。となりの長方形の湧水の湧く池にはカモが気持ちよさそうに泳いでいた。

  宝来公園の東側の道を南に進むと多摩川台公園の石垣にぶつかった。右に曲がってはじめての角を左折。視界が開ける手前の右の石垣の上にある小さな庭園が「暁星苑」。広さ453平方メートル。藤棚の下には円筒型の椅子が置かれ、マツ、ウメ、サクラなどの木々と大きな石が趣のある庭に作り上げている。水飲み場も設置されている。

  「身寄りのないご高齢の方が住んでいて、お亡くなりになったあと、家はつぶして、区が石や木を入れて庭にしたのよ」と近くに住む女性が教えてくれた。
  地図には「小さな見晴らし台」と表示されている。ここは国分寺崖線で、西南が開けていて、足元には多摩川が流れ、その先には溝の口方面の景色が。遠くには丹沢山系、さらにその先には富士山が見えた。今年の富士山は雪が少なく、南東の一部だけが白い。日本海側に例年になくどっさりと雪が降ったため、富士山には少ないという話である。

  夕暮れになると足元のライトが明るくなり、沈む太陽に映し出される富士山を待つことにした。16時32分に撮影した写真を掲載。

 
(左) 2020年12月16日16時32分に撮影した富士山 
(右) 2020年12月15日9時55分に撮影した富士山(大田区調布地域基盤整備事務所提供)

(2021年1月掲載)  地図


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