小さな散歩道

生活工房ギャラリー(世田谷区太子堂4-1-1)

 田園都市線、世田谷線三軒茶屋駅に直結しているキャロットタワー3階、4階。生活工房は世田谷区が設置したユニークな文化施設で、デザイン、文化、環境などをテーマに展示やイベントを開催。またキッチンや展示、セミナーに利用できる部屋の貸出もしている。
  現在、ギャラリー(3階)とワークショップルームAとB(4階)で「渦巻く知恵 未来の民具 しめかざり」展が12月27日まで開らかれている。


三重県伊賀市(エビス馬)

福岡県田川郡(つる)

ロビーではしめかざりの販売も

  新年の福を授けてくれる歳神様を迎える準備として、年末から年始にかけて家々を彩る「しめかざり」。土地により、家によりその造形も風習も様々な伝承がある。しかもお正月が過ぎるとお焚きあげされることが多く、実物も残りにくい。デザイナーの森須磨子さんは、日本全国の「しめかざり」を20年に渡り収集・研究している。今回の展示は森さんの企画制作で全国のしめかざりを展示。一部販売も。

  第1室、3階のギャラリーでは「しめかざり時空探訪」と題して、各地のしめかざりが飾られている写真でしめなわかざりの多様性を知る。森さんが撮影したポジフィルム1000枚を下から光を当て、見ることができるようになっているので、ルーペの持参をすすめる。

  階段を上がって4階の第2室「月下のしめかざり」へ。歳神様は大晦日の夜にやってくるという。「月あかりに照らされた姿をイメージしてほしい」と、「紙垂(しで)」「裏白(うらじろ)」「譲葉(ゆずりは)」などのお飾りを取った「素」のしめかざり約100点を黒の壁に展示した。

  第3室は「渦巻く智慧 未来の民具」。入り口には戦前の宮城県丸森町の門飾りを再現。森さんが小学校へしめかざりの出前授業をして、大事な道具に感謝の意を込めて輪飾りをつけようと呼び掛けるところでは、彼らの生活が分かり興味深い。

  会場では森さんの著書「しめかざり〜新年の願いを結ぶかたち」(工作舎刊・2500円+税)や絵本、地方から取り寄せたしめかざりを販売している。

■生活工房ギャラリー

開館時間/9:00〜18:00時
休館日/月曜日(祝日の場合は除く)
入場料/無料
問合せ/電話03・5432・1543

森須磨子さん著 「しめかざり」

(2020年12月掲載)  地図


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