小さな散歩道

水神(すいじん)公園 (大田区南雪谷5-10-14)

 
門扉がある水神公園

 東急池上線御嶽山駅から徒歩7分の住宅街にある。入口には門扉があり、開園時間(10月から3月は9:00〜16:00、4月から9月は 9:00〜17:00。年末年始は閉門)があるので注意が必要だ。

  中央は芝生広場になっていて、周囲にはケヤキ、クスノキ、マテバシイ、ウメ、サクラなどの樹木が並ぶ。正面奥斜面になっていてその途中に赤い三角屋根の「休憩室」が建っている。斜面には、いろいろな種類の草花を植栽されていて観賞しながら、階段で建物の裏側に出られる。

 
(左) 園内は中央が平らで芝生が植えられている  (右) 三角屋根の多目的室

  休憩室は、新型コロナウイルス感染予防のために、しばらく閉鎖していたが、緊急事態宣言解除に伴い、6月から利用を再開した。同休憩室は、予約制になっているので要注意。車いすの人でも利用できる「だれでもトイレ」が設置されていて建物の外から入れるようになっている。

  大田区には立川市から続いている国分寺崖線があり、景勝地として人気がある等々力渓谷もその一つ。その延長線上にいくつかの湧水があり、この水神公園の湧水もそのうちのひとつだ。
  休憩室を正面に見て右側には、地下から水が湧いている場所があり、そばの看板に、地下を通ってその湧水が近くにある東調布公園に流れていると地図付の説明があった。

  水神公園の名前の由来となった「洗い場」の水もこの湧水を利用しているとあった。公園を出て塀沿いに左に進んだ所に、「水神公園 洗い場(復元)」と看板がある台形の池があった。平成26(2014)年、公園の整備に合わせて復元された。
  この場所は、昔は「水神の森」と呼ばれ、非常に湧水の豊富な所だった。大正期に「水神様の洗い」場があった。洗い場は湧水を利用して野菜や農具を洗うなど、時代と共に様々な用途に使われていたそうだ。洗い場の水源は公園内の湧水を利用。流末は東調布公園の川を経由して呑川へ。
 また、かつてこの近辺に水神様が祭られていたが、現在は雪谷八幡神社へ移されたとあった。

  やっと涼しくなった今日この頃、崖線沿いの緑と湧水を残す公園へ散歩に出掛けてみては。

(2020年10月掲載)  地図


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