小さな散歩道

東山貝塚公園 (目黒区東山3-16-7)


複製のたて穴式住居の内部

東山児童遊園

児童遊園内には馬のオブジェが

黄色の花が可憐なホソバヒイラギナンテン(同公園で)


入口横に複製のたて穴式住居がある東山貝塚公園

 東急田園都市線池尻大橋駅から徒歩4分。東口の商店街を東に進み、左手のドラッグストアを目印に右折、突き当たりに東山貝塚公園がある。
  東京の三大貝塚の一つ、東山貝塚跡に1979年に造られた公園。面積1752.05平方メートル。入り口右手にたて穴式住居が復元されているからすぐ分かる。公園の真ん中を湧水から流れた水が流れ、人々の憩いの場となっている。


園内を流れるせせらぎ

 復元されたたて穴式住居の中をのぞくと、中央に炉があり、その炉を囲んで父親と母親と子どもが座っていた。土器、石斧、鹿の皮なども展示してあり、4000年から5000年前の古代の人々の生活が分かる。
  説明パネルによると、このたて穴式住居は樋口清之・國學院大學名誉教授の指導を受けて開園した年の6月に擬製復元したものだそうだ。

  東山のこの一帯は、目黒台の台地から目黒川の斜面にかけて広がる縄文時代の集落があったところで、貝塚やたて穴式住居跡が発見されている。東山貝塚遺跡の存在は明治時代から知られていたが、大正15年の区画整理作業中に多くのたて穴式住居跡や縄文土器、石器が発見された。ハマグリ、アサリなどの貝類や、アジ、コイなどの魚類の骨、シカ、イノシシなどの動物の骨なども。
  目黒川、呑川、立会川の三水系と豊富な湧き水に恵まれている目黒地域は、食料になる木の実と動物が生息していたので多くの人が暮らしていた。でも海から遠い東山になぜ貝塚や魚の骨が残されていたのか。縄文時代には、目黒川の低地が入り江になっていて、海の水が東山のそばまで入り込んでいたからだそうだ。
  東山貝塚遺跡の出土品は、國學院大學考古学資料室やめぐろ歴史資料館などに保存展示されている。

 帰りは道路を挟んでカラフルな遊具のある東山児童遊園に。馬のオブジェが面白い。

(2019年11月掲載)  地図


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