小さな散歩道

仙川の遊歩道 (世田谷区成城)


成城学園前の銀杏

映画カメラをデザインした柵


紅葉の遊歩道

 小金井市から武蔵野市、三鷹市、調布市を通り、世田谷区まで流れている仙川。遊歩道途中にあった説明板や他の資料によると、仙川の名前の由来は、従来の仙川の水源であった勝渕神社前の丸池に、釜の形をした湧出口がたくさんあり、千釜と呼ばれていた。また、湧泉のことを釜といい、その数が多いことからも千釜と呼ばれていた。その千釜がなまって仙川と言われるようになったそうだ。一部では、このあたりに仙人が住んでいたから仙川になったという説もあるとか。
 
  小田急線成城学園前駅から3分の砧総合支所にある街歩きマップを頼りに、仙川の遊歩道の南側1.2kmほどを歩いた。

  仙川に架かる橋のうち、線路側すぐにある無名三号橋から数えて3つ目の打越橋周辺には桜並木が続き、春には夜桜のライトアップがあるそうだ。遊歩道には500mごとにタヌキのイラストがかわいい案内板がある。また、遊歩道途中の見どころ、フォトスポットなどの説明もある。このタヌキのイラストを見ながら歩くのも楽しい。

  線路から北側の遊歩道には、童謡や手遊び歌のイラストが描かれたベンチなどもあるが、南側遊歩道の一番のおたのしみは「ゴジラ」だろう。打越橋の次の三の橋と二の橋の間に、東宝スタジオがあり、遊歩道の仙川側の柵にも、映写機やゴジラの姿をモチーフにした模様が見られる。

  東宝スタジオ内の南側の壁に、ゴジラの巨大壁画がある。
  縦14m、横17mの壁に、高さ11mのゴジラが描かれている。2003年から8年がかりで行われたスタジオ施設の大改造の総仕上げとして、2011年の完成を目指して制作されていたが、東日本大震災で一時中断。その後ゴジラ生誕60周年、ハリウッド版「GODZILLA」公開を機に制作再開され、2014年6月に完成したそうだ。

 

  また、スタジオのメインゲート左の側面には、ゴジラ壁画を製作した画家、壁画家の塙雅夫さんが2007年に完成させた「七人の侍」の壁画もある。草原に7人が集まる有名なシーンで、前面に立つ菊千代役の三船敏郎は高さ12.4メートルで描かれている。スタジオの建物入口前には、ゴジラのブロンズ像も。こちらは高さ2メートル、背景の壁に穴を開け、そこから出てきたかのような作りになっていておもしろい。

  暗くなるとライトアップされるそうだ。ゴジラファンでなくとも、記念の一枚を写真に収めたい。

(2017年12月掲載)


小さな散歩道 目次へ 前へ  次へ