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東急多摩川線の下丸子駅から、商店街や住宅街を歩いて10分足らず、見上げるような高層ビル群が現れた。 公園は、その手前のふもとのような場所に広がっていた。
交差点に面した入り口を入ると、左手に小高い築山がある。低い植え込みの間を伸びるゆったりした坂道を登って行くと、 てっぺんは平らになっていて、ベンチが数台置いてあり、子ども連れや読書する人がくつろいでいる。 その脇には、両側を天然の石で固められた道がある。幅は1〜2メートルか。水は流れていないものの、どうやら水路らしい。
元をたどって進むと、大小様々な石を組み上げた噴水みたいなものがあった。ゆう水口だ。 ペンキを塗ったタイヤを3本のせているのがユニークだ。傍らに立つ看板に、「この流れる川の水は循環しています。 飲んではいけません。遊んだあとは手足などを水道でよく洗いましょう」とあるから、 夏場に水を流して、子どもに水遊びさせる設備なのだろう。
その水路に沿って下ると、「史跡『矢口の渡し』の由来」と書かれた説明板が立っている。 その中に、「ここに再現した渡し船は、昭和20年代の矢口の渡し船に似せて製作されたものである」とあった。 水路の終点は小さな池で、その中に小舟が1そうつながれていた。木の桟橋まである。 これが再現された渡し船のようだ。水はないものの、当時の光景をよみがえらせてくれそうだ。
渡し船の隣は「こどもひろば」。トリムやシーソー、滑り台が置いてあり、子どもの歓声が響く。 時折吹く木枯らしに舞う、紅葉した木の葉が、本格的な冬の訪れを告げていた。
(08年1月掲載) 地図
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