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旧東海道沿いの、今の地図では京急線の北品川駅から大森海岸駅までの間、そこに「東海七福神」がある。 七福神のうち多くは、かつて東海道の第一の宿場町だった品川地域、北品川駅から青物横丁駅周辺にある。 沿道には由緒ある寺社が多く、古くから七福神が祀られていたが、1932年(昭和7年)、品川が大東京に編入された記念として東海七福神初詣が定められた。
東海七福神はほとんどが品川区内にあるが、ひとつだけ大田区のものがある。それが弁財天を祀った磐井神社だ。
京急大森海岸駅から4分ほどの、国道(第一京浜)沿いにあるが、駅から歩道がずっと続いているので、ゆっくり歩くことができる。
少し歩くと右手に大きなイチョウが見えてくる。磐井神社のイチョウは、大田区の保護樹林に指定されている。
神社の名前の由来となった磐井の井戸
神社入口の斜め前、国道側の歩道に「磐井の井戸」がある。磐井神社の名前の由来になった井戸で、大田区文化財に指定されている。
かつては東海道往来の旅人に利用され、「この井戸水はこころ正しければ清水、心邪(よこしま)ならば塩水」という伝説があるそうだ。
磐井神社は式内社(しきないしゃ)と呼ばれる古い格式を持つ神社で、平安時代は武蔵国における総社八幡宮であったとされている。
江戸時代には、徳川家の将軍も参詣したそうだ。歴史あるこの磐井神社も、大田区文化財に指定されている。
境内には、鈴石、烏石と江戸文人石碑群がある。これらも大田区文化財。鈴石は、延暦年間(782〜806年)に武蔵国の国司だた石川氏が奉納した神功皇后ゆかりの石とされる。 この石を打つと鈴のような音がしたことから「鈴ヶ森」の地名の由来になったと言われている(実物は屋内に保管されていて非公開)。
境内左手の奥まったところに、小さな弁天池に囲まれて笠島弁財天が祀られている弁天堂が建っている。 知らないと通り過ぎてしまいそうだが、小さな橋の鮮やかな朱塗りの欄干を目印に探すといい。 磐井神社の笠島弁財天は、万葉集の「草陰の荒蘭の崎の笠島を見つつか君が山路越ゆらむ」の「笠島」のことだとする説もある。
東海七福神は、磐井神社のほか、天祖諏訪神社(福禄寿)、品川寺(毘沙門天)、荏原神社(恵比寿)、一心寺(寿老人)、養願寺(布袋)、品川神社(大黒天)がある。 距離としてはだいたい1時間ぐらいで歩けるが、元日から1月15日までの七福神巡りの時は、七福神宝舟や参拝記念色紙の記念印などがあるので、時間に余裕を持って回りたい。
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(2017年1月掲載) 地図
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