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多摩川土手の遊歩道からみた六郷橋
東京都大田区と神奈川県川崎市を繋ぎ、多摩川に架かる橋の中で最も南にある「六郷橋」は、京浜急行線「六郷土手駅」から5分ほど。
箱根駅伝のルートになっているので、毎年新春のテレビ実況中継でその名が全国に放送されている。
駅の出口を右折し橋に向かう途中、橋の袂に「宮本台緑地公園」がある。
テニスの壁打ち練習ができる小さなコートの脇に公園入口の標識があるが、目立たないので注意しないと見落としそうだ。
公園というより小さな広場という感じだが、そこに1925年に架けられた橋の親柱と橋門が保存されている。
駅の方から公園に入ると、ちょうど反対側にあり、まるで公園の入場門のようだ。
かつて六郷は、江戸の玄関口として交通上重要な所だった。 東海道が多摩川を横切る要地で、1600年には徳川家康が六郷大橋を架けた。ちょうど「関ヶ原の戦い」の年でもあり、家康率いる東軍は六郷大橋を渡り、天下分け目の関ヶ原へ向かった。 その後、橋は幾度か洪水で流されては架け直されたが、千住大橋、両国橋とともに江戸の三大橋とされた。 しかし度重なる流失のため、1688年の洪水以後は再建されず、その代わりに「六郷の渡し」が設けられ、明治時代初頭まで活躍した。 渡船場の賑わいは江戸時代の浮世絵にも描かれ、明治期に茶屋として創業したという和菓子店(梅泉の伊東)が今でも六郷土手駅前で営業している。
宮本台緑地公園かららせん階段を上り六郷橋の歩行者道に出る。 一気に視界が開け、多摩川河川敷や対岸の川崎側も見渡せてとても気持ちがいい。橋の欄干には、六郷の渡しのオブジェ(渡し船)がある。 度手に下りてしばらく歩いてみた。こんな交通量の多い場所でも、やはり川岸には自然が残っており、トンボが秋空に飛んでいた。 河川敷にある六郷ゴルフ倶楽部では、平日なら1,000円(プレー料と貸ボール代)でゴルフの打ちっぱなしが楽しめる。週末は常に満員になるほど人気だそうだ。
六郷橋からの多摩川河川敷の眺め
六郷神社に保存されている3代目の親柱 →
近代になり、橋は4回架け直された。宮本台緑地公園にあるのは4代目。3代目の橋、1910年に架けられた橋の親柱が、 六郷土手駅から多摩川とは反対側へ10分ほどの「六郷神社」に保存されている。六郷神社は第一京浜通りの「六郷」陸橋のすぐ近くにある。 通りに面した神社脇の門から入り、参道を進んで右手の神社正面の鶏いわきに、その親柱が保存されていた。
(2016年11月掲載) 地図
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