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イチョウ並木と神社の鳥居
千本鳥居
奥の宮 賽銭箱の左に「あなもりの砂」
京急穴守稲荷駅から3分ほど。羽田空港方面ホームにある改札口を出ると、目の前に鳥居が立っている。 かつて明治の頃は周辺で潮干狩りができたり温泉が湧いたりしたため、神社の門前は温泉旅館や芸者の置屋ができるほど賑わっていたという。 当時の景品電気鉄道(現京浜急行電鉄)が、この繁栄を見て京浜蒲田から支線を伸ばし、大正時代に穴守稲荷駅が参拝のためにつくられたそうだ。
鳥居の右手前に鎮座しているのはお狐さまの「コンちゃん」。定期的に衣替えしているようだが、今は緑色のリボンを付けて女の子の衣装?になっていた。
鳥居をくぐって左折、2本目の小路を右折すると、両側に若いイチョウの並木道があり、その先に穴守稲荷神社境内入口の鳥居が見えた。
駅からの道程はこれが最短ルートだが、ここから入ると神社の横手から入ることになる。
そのまま境内に入ると、右手に神楽殿、左手に社務所がある。社務所の隣に拝殿、その奥に本殿があり、御祭神として豊受姫命(とようけひめのみこと)が祀られている。
江戸時代、新田開墾の時、海が荒れて沿岸の堤防が決壊し、村々は海水により甚大な被害を受けた。村民が堤防の上に祠を勧請し、稲荷大神を祀ると海が静まった。
これが穴守稲荷神社の起こりとされている。穴守という名前は、堤防に開いた穴の害から人々を守った、ことに由来するそうだ。
元々は新田開拓を行った鈴木家の土地にある小さな祠だったが、明治時代に再建された。
敗戦直後の1945年9月21日、羽田空港を軍事基地として拡張するため米軍(GHQ)から48時間以内の強制撤去を命ぜられ、神社は住民ともども移転を余儀なくされた。
地元の有志が700坪の土地を寄進し、神社は現在地に復興債権され今に至る。
穴守稲荷神社に行ったら、招福の御利益があるとされる神砂「あなもりの砂」をいただいて帰りたい。 家の玄関に撒くと商売繁盛・家内安全、新築・増改築の際は敷地の中心に撒くと良いそうだ。 本殿の隣、千本鳥居をくぐった先の「お穴さま」とも呼ばれる奥の宮に、持ち帰り用の紙袋と一緒に「あなもりの砂」が用意されている。 奥の宮の先には築山があり、様々な御利益をもったお稲荷様が祀られている。
(2016年9月掲載) 地図
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