小さな散歩道

大森貝塚遺跡庭園 (品川区大井6丁目)


大森貝塚の発見者・モース博士像

貝塚標本(復元)

ミスト噴水で遊ぶ子供たち

NTTデータ大森山王ビル前
(ビル裏にある本物の「大森貝墟」碑のレプリカとその説明板)


門柱に縄文土器のレプリカがある庭園入口

 大森駅山王口から池上通りを品川方面へ5分ほど歩く。途中、大田区から品川区になり、大森貝塚遺跡庭園は品川区に入ってすぐ、大盛り操車所のバス停前にある。
  縄文土器のような茶色の塀に、両側には縄文土器のレプリカ、丸みを帯びたデザインはガウディのグエル公園のようでもあるが、大森貝塚発見者でアメリカ人動物学者エドワード・モース博士の像や貝塚標本の展示もあり、この公園が、貝塚ができた縄文時代をイメージして造られていることが分かる。

  公園内には、縄文時代の大森地域の様子やその頃の生活、縄文土器の説明などのプレートがあるので、貝塚以外の縄文時代のことも知ることが出来る。
  公園右手奥、白い小さなドームの下の半地下様の場所に展示されている貝塚の標本は、まるで発掘された状態そのままのようだ。これは復元したものだそうだが、土に埋まった貝殻の層は、一瞬本物の貝塚かと思えてしまう。

  そんな縄文時代をテーマにした公園内では、小さな子供を連れたママさんたちがランチ会をしたり、学生さんが木陰で本を読んだり、サラリーマン風の男性がベンチでちょっと一休みしたりしていた。
  公園中央にはミスト噴水があり、定期的にミストが噴出される。噴出が始まると公園で遊んでいた子供たちが歓声を上げてミスト噴水の中に飛び込んで行った。
  公園裏手からは、京浜東北線の線路が見下ろせる。電車好きの人も楽しめそうなスポットだ。

  大森駅から遺跡庭園に行く途中、大田区側にあるNTTデータ大森山王ビルの裏手に「大森貝墟」の碑がある。ビルの横を通り、階段を下りていくと、大きな一枚岩の碑が線路のすぐ脇の狭い敷地に立っている。先月までビル工事のため入れなかったが、工事が終了してまた見学できるようになった。ビルの正面、池上通りの歩道側には、その碑の半分のサイズのレプリカと、大森貝塚の説明プレートなどがある。地面には貝塚で発見された貝類や古代生物の絵柄が描かれたタイルが埋め込まれていて、この場所もちょっとした「大森貝塚エリア」になっている。

(2016年7月掲載)  地図


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