小さな散歩道

世田谷美術館 (世田谷区砧公園)

 
東宝スタジオメインゲート (写真提供:東宝株式会社)cTOHO CO.,LTD.     実際に映画「ゴジラ」で使われたセットの展示(同美術館ロビー)


ポスター「ゴジラ」(監督:本多猪四郎)1954年公開
寺島映画資料文庫蔵 cTOHO CO.,LTD.

「七人の侍」撮影風景 黒澤明監督1954年
c TOHO.CO.LTD 個人蔵

久保一雄《美術デザイン「人情紙風船」》(監督:山中貞雄)
1937年公開 川崎市市民ミュージアム蔵.

 田園都市線「用賀」駅からバスで終点「美術館」下車。徒歩では17分。4月19日まで開催中の「東宝スタジオ展ー映画=創造の現場」を閲覧。
  同館入り口には映画「ゴジラ」のセットが設置されていてハッとする。高層ビル群の真ん中に立ち吠えいるように見えるゴジラ。ここだけは写真が許可されているので、多くの人がスマホで下から、2階の階段から盛んにシャッターを切っていた。
  東宝スタジオは昭和7年(1932年)、世田谷区砧に設立された「写真化学研究所」(通称P・C・L)が前身で、東宝砧スタジオを経て現在の東宝スタジオに。

  同展は第1章「東宝スタジオ/映画の歩み」、第2章「東宝映画の黄金時代」、第3章「東宝砧撮影所1947〜1970年」、第4章「東宝スタジオ1971年〜現在」で構成されている。1950年代から60年代にかけての最盛期には俳優、スタッフ合わせて2000人が闊歩し、多くの監督や俳優が砧、祖師谷、成城周辺に居住した。

  同展では、昭和29年(1954年)に公開された代表作「ゴジラ」「七人の侍」の2本に焦点をあて、特殊撮影や東京の時代劇を生みだした映画美術の魅力について探っていく。また黒澤明監督の「影武者」、市川崑監督の「ビルマの竪琴」の監督直筆の絵コンテを展示。それらの一枚一枚が1つの絵画になっていることに驚く。併せて撮影時の写真撮影用機材も多数展示させている。一室では「生きる」「宮本武蔵」「七人の侍」など著名な映画29本の予告編が上映され、往年の映画ファンには懐かしい。

●関連企画 「映画講座‐創造の現場を語る」
特撮美術編=3月7日、映画監督=3月8日、映画美術=3月14日。いずれも14時開始。先着150人。当日10時から整理券をエントランスホールで配布する。
★同時にミュージアムコレクション「世田谷に住んだ東宝スタジオゆかりの作家たち」(同美術館2階)が4月12日まで開催している。「人情紙風船」など数々の映画セットを手がけながら絵画作品を発表し続けた久保一雄などの絵画や宮本三郎や梅原龍三郎が描いた東宝ゆかりの女優・高峰秀子さんの肖像画も展示。東宝スタジオ展のチケットで閲覧できる。

■世田谷美術館 (世田谷区砧公園1-2) ウェブサイト

開館時間/10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日/月曜日(祝休日の時はその翌日)と年末年始
入館料/ 一般1000円、65歳以上と大学・高校生800円、
       中・小学生500円
問合せ/TEL 03‐5777‐8600

(2015年3月掲載)  地図


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