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池上線御嶽山駅から徒歩1、2分。御嶽神社と大きく書かれた社号標が立派だ。「嶺のおんたけさん」として昔から親しまれてきた。創祀は、嶺村(現嶺町地区)ができた天文4年(1535)頃とだといわれている。その後、天保年間(江戸時代後期)に木曾御嶽山の修験者・一山(いっさん)行者によって、天保2年(1831)に現在の社殿が建立され御霊が遷座された。関東一円から木曾御嶽山を信仰する信者たちが多数訪れた。「嶺の御嶽神社に三度参拝すれば、木曾御嶽山へ一回行ったのと同じ」と言われていたようだ。
現在は地元六地区の氏子組織が支え、祭礼も年々盛大になっている。また、20年に一度、本山へ神輿を運んで担ぐ式年祭の第2回目が平成23年(2011)8月に行われた。
本殿は大田区の文化財。大田区教育委員会の説明板によると、天保2年の建築で建物も周囲の彫刻も藤原篤意によって製作された。本殿の背面、側面には浦島太郎・養老の滝など和漢の物語、故事にちなんだ彫刻が施され、柱間、縦約160cm、横約130cmの刻面を有する、とのこと。その彫刻は精妙巧緻。180年以上前のものとは思えないほどきれいだ。お正月に参拝した折には是非、本堂の背面に回ってこの彫刻のすばらしさを見てほしい。
そのほか、「夫婦松」として崇敬を集めている樹齢四百年の2本の黒松、一山神社、そして今でも神職や嶺嶽会、嶺の樹会が神事・行事前に禊場として使っている水行堂、神社境内地奥には「霊神の杜」と名付けられた鎮守の森もある。
■御嶽神社 ウェブサイト
大田区北嶺町37-20 TEL 03‐3720-3333
【年末・年始のスケジュール】
○慰霊百日祭
御嶽山事故から100日の12月31日16:00から。
○木曽御嶽山復興絵馬頒布
元旦から。一体1000円。
頒布料は義捐金として木曾へ送る。
木曽御嶽山のお茶も頒布。
○新春餅つき
12月31日、地域のボランティア団体「嶺の樹会」のメンバーが夕方から餅をつき始める。元旦午前0時から丸めた福餅を先着2,000人に配布。毎年長い行列ができる。お神酒も振舞われる。
(2014年12月掲載) 地図
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