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四角の枠の中に富士山が見える [世田谷区提供]
小田急線「成城学園前駅」西口下車。目の前の大通りを渡り、自転車置き場の左端にある道を喜多見駅方向に歩く。途中から自転車置き場は切れて会員制の菜園が広がる。
一段と高いところに富士見橋が現れた。橋の成城学園前駅側には花壇がありピンクや紫の花が咲いていた。
喜多見駅側は視界が開け、橋の中央に「 関東の富士見百景(国土交通省選定)54番」のプレートがあった。地点名は「富士の見える橋」。東急大井町線上野毛駅から徒歩約5分の「富士見橋」と成城の「富士見橋と不動橋」の2カ所を指す。
「成城の富士見橋と不動橋」は世田谷百景に選定(55番)されていて、看板には遠くの山並みの名前が左から塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳、富士山、大室山と書いてあった。この日は空は青く澄んでいたが富士山は曇っていて姿形も見えなかった。
ほんの少し離れて不動橋が見えた。2つの橋をつなぐ道は無く、迂回して不動橋に。
橋の中央にある関東富士見百景のプレートと富士山の見える方角に向かって背もたれのある石のイスが3脚。毎日イスに座って山並みを眺めるという地元のおじいさんがいた。
「今日は富士山は見えないね。ここは国分寺崖線上の斜面地にあるから都会でも珍しく富士山が見えるんだよ。ダイヤモンド富士が見えるときはカメラを持った人がたくさん来るよ」と教えてくれた。どうやらその日は11月5日と6日、来年2月5日ごろの日没とか。
成城学園前駅西口から富士見橋を越えて、不動橋までは小田急線の上にふたをして人工地盤を作り、自転車置き場と菜園にしたという。上が菜園でその下を小田急線が通っている写真を撮ろうと橋の下に降りた。
いいアングルが見つからず、うろうろしていたら喜多見不動尊というお不動様を発見。入口に湧き水でできた不動池があり、かわいい水車が回っていた。創建は明治9年。この尊像は、明治の初めの多摩川の大洪水の時、喜多見河原に流れ着いたものを成田山新勝寺で入魂したものと伝えられている。
(2014年11月掲載)
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