小さな散歩道

小池公園 (大田区上池台1丁目)



南にある木製の架け橋

 東急池上線長原駅から徒歩5分。坂を降りた住宅街に大きな池の公園が現れた。以前は釣り堀だったところを大田区が整備して2009年に「小池公園」としてリニューアルオープンした。
 池は洗足池と同様に湧き水で出来ていて、洗足池の次に大田区で大きな池だ。水の深さに変化をつけたり、漁礁や浮島を設けていろいろな生き物が住みやすいように工夫がしてある。
  池の南側には木製の架け橋、北側には藤棚、西側には桜の大木とカラフルなアスレチック複合遊具、東側には杭で囲んだ親水ゾーンがある。素足で入るとけがをする場合があるのでゴムぞうりや靴を履きましょうという注意書きがあった。取材した日は23.5度という夏のような暖かさで、子供たちが水遊びをしていた。

  そのそばに「スッポンがいます」という看板が……。「体長30cm以上のスッポンが整備前から池に住んでいます。人を襲うことはないので、口の近くに指を近づけないように。もしスッポンが近くに寄ってきたら、その場を離れるような接し方をしましょう」という内容だ。毎日この公園を散歩しているという近所のおじいちゃんにスッポンのことを聞いてみた。
 「去年の春、大きなスッポンを見たけど、その後は見ないね」とのこと。水遊びをしていた子供たちに同様の質問をしたら、「スッポンてなに?」「ほら、カメみたいなのよ」「え?」と、大騒ぎ。どうやら最近は出没していないようだ。いろいろな生物との共生という同公園のコンセプトにスッポンは抵触していない。小池公園ができる前からの先住動物なので大事にしたい。

  池にはカモメ、カモなどが飛来する。去年はカワセミの巣もあり、コバルトブルーの羽で訪れた人々の目を楽しませてくれた。メダカ、ドジョウ、エビ、ヤゴなどの小さな生き物もバランスよく共生できるように管理されている。だから魚やカメや外来種などの生物を池に捨てたり、エサをやったりしないこと。釣りも禁止だ。
  将来は自然豊かな公園に育っていく気がする楽しみな公園だ。

(2013年4月掲載)  地図


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